[歌詞考察]キタニタツヤ『まなざしは光』─疲れ閉ざした心を開く無垢な笑顔─

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みなさんこんにちは!

2025/7/6にキタニタツヤの新曲『まなざしは光』がリリースされました。

この曲は他人に心を閉ざしてきたはずの主人公が、ある出逢いをきっかけに世界が色付いていくラブソングです。

今回はそんな新曲『まなざしは光』の歌詞を一節ずつ考察していきたいと思います!

ぜひ最後までご覧ください!

目次

1.キタニタツヤ『まなざしは光』歌詞

雨降り、小さな傘に身を隠す僕に
薄明かりがひとすじ

またひとつ諦める、身体は軽くなる
足元に引いた線の向こうから手を振る人

きみが笑うだけでどうしてこんなにも
過去の自分がほどかれるのだろう
この感情には名前があるらしい
心臓がうるさい

きみと目があうたび、指が触れあうたび
僕の奥の奥まで
見つけてもらえたような気がした
言葉を交わすたび、同じ景色を見るたび
僕を照らしてくれるきみのこと、
もっと知りたくなるよ
あの入道雲さえ突き破って
真っ直ぐ泳ぎ渡ってきた
眩しくて、でもあたたかな
きみのまなざしは光だ

傷つくことも、傷つけられることも
足元に引いた線の中で逃げてきたけど

雨降り、小さな傘に身を隠してそぼ濡れていた僕をそっと暖めるような光がさす
目を細めて見上げた先
どんな言葉でも足らないほどに愛しい
子供みたいな笑み

どうしようもないくらい自分でも怖いくらい
もうこの目を逸らせない
きみのまなざしの全てが欲しい

きみと目があうたび、指が触れあうたび
僕の奥の奥まで
見つけてもらえたような気がした
言葉を交わすたび、同じ景色を見るたび
僕を照らしてくれるきみのこと、
もっと知りたくなるよ
あの入道雲さえ突き破って
真っ直ぐ泳ぎ渡ってきた
眩しくて、でもあたたかな
きみのまなざしは光だ

2.キタニタツヤ『まなざしは光』歌詞考察

2-1.雨の中の僕に差す光

雨降り、小さな傘に身を隠す僕に
薄明かりがひとすじ

雨は憂鬱や孤独の比喩、象徴であり、そんな中で「小さな傘」に身を寄せる姿は、自分を守るために閉じこもっている状態を表しています。

そこに差し込んできた「薄明かり」は、「きみ」という存在によって初めて感じられた微かな希望のこと。

閉ざされた心に、じんわりと「きみという光」の何かが届き始めています。

2-2.諦めとその向こうに

またひとつ諦める、身体は軽くなる
足元に引いた線の向こうから手を振る人

他人との繋がりから与えられてしまう全ての重荷を下ろそうと、全てを諦めていたはずの主人公。

しかし、ふと「線の向こう」すなわち、「自分の殻の外」から手を振る存在「きみ」が現れます。

「僕」にとっては新しい世界への扉を開く存在であり、閉ざしたはずの世界に他者が介入してくる、始まりの場面です。

2-3.笑顔にほどける過去

きみが笑うだけでどうしてこんなにも
過去の自分がほどかれるのだろう
この感情には名前があるらしい
心臓がうるさい

きっと誰しもが感じたことのある、笑顔ひとつで、過去の苦しみや凝り固まった思いがほどけてしまう革命的な出逢いとその影響を不思議に思っている主人公。

心を閉ざしていた頃は1番遠かったはずの「ある感情」が、確かに心臓を「うるさい」ほどうっています。

これは主人公の心の中に“恋”という名の感情が芽生えた瞬間を表しています。

2-4.触れ合うたびに確かになる存在

きみと目があうたび、指が触れあうたび
僕の奥の奥まで
見つけてもらえたような気がした
言葉を交わすたび、同じ景色を見るたび
僕を照らしてくれるきみのこと、
もっと知りたくなるよ
あの入道雲さえ突き破って
真っ直ぐ泳ぎ渡ってきた
眩しくて、でもあたたかな
きみのまなざしは光だ

「きみ」と視線や言葉を交わすたびに、自分の存在が確かになっていく感覚。

それは、外側にいる誰かに「見つけられる」ことで初めて感じる、自分という人間の価値や実感といった自分だけの輪郭です。

きみの「まなざし」は、夏の空を象徴する極太の「入道雲」さえも越えてきたような強さと温かさを持ち、僕の心に差し込む「光」として表現されています。

2-5.逃げ込んでいた線の内側

傷つくことも、傷つけられることも
足元に引いた線の中で逃げてきたけど

「線の中」は自己防衛のための領域であり、他者との隔絶のことでした。

人と深く関わらず、傷つかないように過ごしてきた「僕」が、その線の外に出ようとしています。

それは、「きみ」との出会いによって、初めて恐れよりも心が動かされたことを遠回しに表現しているのです。

2-6.雨と光と笑顔

雨降り、小さな傘に身を隠して
そぼ濡れていた僕を
そっと暖めるような光がさす
目を細めて見上げた先
どんな言葉でも足らないほどに愛しい
子供みたいな笑み

再び登場する「雨」と「傘」は過去の延長線上ですが、今回は「そっと暖める光」が差し、世界が変わっていきます。

「目を細めて見上げた」その先にあるのは、言葉では形容しきれないほど愛しい、「子どものような笑顔」

無垢で飾らない表情が、深く主人公の心に刺さった瞬間を描いています。

2-7.きみというまなざしの光への渇望

どうしようもないくらい 自分でも怖いくらい
もうこの目を逸らせない
きみのまなざしの全てが欲しい

踏み出すことなく、恋に落ちた当時を振り返っていた主人公。

ところが、ここで一変して主人公が「きみ」へと踏み出そうとします。

恋が進むにつれて、自分の中で生まれる感情の強さに戸惑いながらも、もう止められないという告白に、「他者」へと自ら踏み出そうとする主人公の変化が強く示されています。

2-8.再び、光の賛歌

きみと目があうたび、指が触れあうたび
僕の奥の奥まで
見つけてもらえたような気がした
言葉を交わすたび、同じ景色を見るたび
僕を照らしてくれるきみのこと、
もっと知りたくなるよ
あの入道雲さえ突き破って
真っ直ぐ泳ぎ渡ってきた
眩しくて、でもあたたかな
きみのまなざしは光だ

冒頭のサビと同じフレーズが繰り返されることで、主人公の感情がより深まったことを感じさせています。

文字上の違いはなく、ニュアンスのみの違いですが、初めは気づき程度であった「恋」が、今では“絶対的な光”として自分の中心を照らす存在になっていることが感じられます。

無垢で優しい「きみ」がいるからこそ、「僕」は初めて自分を好きになれたのかもしれませんね。

まとめ

『まなざしは光』は、飾りに飾った綺麗な嘘を吐く人間と対照的な、純粋無垢な「きみ」との出逢いを軸に、人が誰かによって救われ、再生していく姿を描いたラブソングでした。

雨に打たれ、諦めに慣れていた“僕”が、“きみ”の存在に触れることで、光を見出し、心を動かし、変化していく。

この曲は、恋や愛という以上に「他者に見つけてもらうこと」「無条件で照らされること」が、どれほど人間に力を与えるのかを教えてくれています。

それは言い換えれば、キタニタツヤならびに我々リスナーが心から欲しているものを的確に言い当てた曲だとも言えるかもしれません。

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