みなさんこんにちは!
2025/8/6にヒグチアイの新曲『私の代わり』がリリースされました!
この曲は、ダメな自分を変えたい一心で、不器用なりにも自分と向き合おうとするひたむきさに優しいスポットライトを当てたような曲になっています。
今回はそんな『私の代わり』の歌詞を一節ずつ区切りながら詳しく解説していきたいと思います!
ぜひ最後までご覧ください!
1.ヒグチアイ『私の代わり』歌詞
きみはそれでいいのよと言われると
こんなんじゃダメって思う
きみはもっとこうしなよと言われると
なにがわかるんだって思う
全部本当で全部嘘じゃなくて
今日も変わりたくて
全然変われなくて
ださいださいださい
弱い弱い弱い
今日もダメだったって
カレンダーにxをつける日々
つらいつらいつらい
痛い苦しい
でも負けない見失わない
わたしわたし
明日もこのやる気がさ
持続したら良いのに起きたら
世界がひっくり返ってる
昨日はできるって思ってた
街中に溢れる
偉い人の言葉を集めたら
カバンの紐がちぎれたよ
「できるかできないかじゃない
やるかやらないかなんだ」って
わかってるよ頭ではね
何冊もの途中で終わってるノート
何枚もの完成されなかったイラスト
何本もの結末の知らない本
何曲ものばらばらの歌
眠れなくて薬を飲むよ
度の合わないメガネをかけたみたい
ボヤけた現実、悩みや不安や未来
後回しにしたもので冷凍庫がいっぱい
ださいださいださい
弱い弱い弱い
今日もダメだったって
カレンダーにxをつける日々
つらいつらいつらい
痛い苦しい
目標を立てれば立てるだけ
強くなったつもりで
また裏切るたびにもっと自分を嫌いになる
諦めたくないやめたくないけど
みんなわたしのことなんて
どうだってどうなったっていいんでしょう
ださいださいださい
弱い弱い弱い
今日もダメだったって
カレンダーにxをつける日々
つらいつらいつらい
痛い苦しい
でも負けない見捨てない
わたしの価値形代わり悲しいでも生きてる
わたしの価値証代わり悲しいでも生きている
今日は昨日より一歩前に
今日は昨日より顔を前に
今日は昨日よりつま先を明日に
見捨てないわたし
わたし わたし わたし
2.ヒグチアイ『私の代わり』歌詞考察
2-1.自分が嫌いであり、自分がかわいい
きみはそれでいいのよと言われると
こんなんじゃダメって思う
きみはもっとこうしなよと言われると
なにがわかるんだって思う
全部本当で全部嘘じゃなくて
今日も変わりたくて
全然変われなくて
他人から今の自分を肯定された時には、相手の優しさに甘える自分が許せず、自分を嫌うような素振りを見せます。
一方、他人から今の自分を否定されたときには、相手に怒りを覚えます。
一見矛盾したように見えますが、他人に迷惑をかけてしまう自分を更にとがめることで、相手に対して悲劇のヒロインを演じ、自分を守っていたのだとすれば、筋は通ります。
それは、他人に耳が痛いことを言われたとき、自分で自分を攻撃する暇もなく、自分の踏み込んでほしくない領域に土足で踏み込まれることになり、不快に思えます。
つまり、この曲で描かれる彼女は本当の意味で変わりたいと思っているのではなく、変わりたいと思っている「ポーズ」をとることで、悦に浸っているだけなのかもしれません。
そんな自分も含めて「変わりたい」と願いますが、願うだけで変わることができず、燻り続けています。
2-2.辛い日々の中に自分を見失わないように
ださいださいださい
弱い弱い弱い
今日もダメだったって
カレンダーにxをつける日々
つらいつらいつらい
痛い苦しい
でも負けない見失わない
わたしわたし
日々は淡々と過ぎていきますが、日を重ねるごとに変わることができない自分への無力感は膨らんでいきます。
それでも、波にもまれながらも自分の変わりたい本心を見失わずに生きていきます。
2-3.冷めない熱意が欲しい
明日もこのやる気がさ
持続したら良いのに起きたら
世界がひっくり返ってる
昨日はできるって思ってた
彼女は頭で淡々とこなしていくというよりは、心に従うタイプなのでしょう。
しかもその心には波があり、気持ちの浮き沈みの幅も大きいものがあるのかもしれません。
誰かの話を聞いたり、何かの本を読んだときに得る熱に動かされることはあるかもしれませんが、そういった時には、一旦冷静になってから落とし込まない限り忘れてしまうものです。
2-4.わかりきっていながらも燻り続ける
街中に溢れる
偉い人の言葉を集めたら
カバンの紐がちぎれたよ
「できるかできないかじゃない
やるかやらないかなんだ」って
わかってるよ頭ではね
何冊もの途中で終わってるノート
何枚もの完成されなかったイラスト
何本もの結末の知らない本
何曲ものばらばらの歌
偉人の名言というのは広く知られていることもあるのでしょうが、いたって普通で基本的なことを言っていることが多いですよね。
しかし、基本を着実にこなしていく人こそが叶えたい自分を実現していくのです。
そんなことを分かりきってはいながらも、1番難しいのは「継続」です。
何かを始めてみても続かないのであれば、それは基本がなっていないということ。
それを自分は痛いほどわかっているけれども、熱意に動かされてしまう彼女にとってはどうしても続けることが難しいのです。
2-5.後回しにしてきた問題に苛まれる
眠れなくて薬を飲むよ
度の合わないメガネをかけたみたい
ボヤけた現実、悩みや不安や未来
後回しにしたもので冷凍庫がいっぱい
後回しにする癖を直せずにそのまま生きていくと、一度冷静になって自分を振り返った時に後には引けない状況に陥ってしまっていたことに気がつき、焦燥感や不安に苛まれることがありますよね。
彼女はその焦燥感や不安のあまり、不眠症の薬までをも服用するようになってしまっています。
2-6.
目標を立てれば立てるだけ
強くなったつもりで
また裏切るたびにもっと自分を嫌いになる
諦めたくないやめたくないけど
みんなわたしのことなんて
どうだってどうなったっていいんでしょう
根拠のない自信や熱に動かされ、目標を立ててはみるけれどもそれを継続して守ることはできません。
その度に、自分で決めた自分との約束を守れない自分を信じれなくなり、自信をなくしていきます。
自暴自棄になった彼女は「どうせ私が何しようとも他の人は興味ないんだし…」とサジを投げてしまいます。
2-7.
ださいださいださい
弱い弱い弱い
今日もダメだったって
カレンダーにxをつける日々
つらいつらいつらい
痛い苦しい
でも負けない見捨てない
わたしの価値 形代わり
悲しいでも生きてる
わたしの価値 証代わり
悲しいでも生きている
今日は昨日より一歩前に
今日は昨日より顔を前に
今日は昨日よりつま先を明日に
見捨てないわたし
わたし わたし わたし
何度も失敗を繰り返しては自信を失っていく日々に折れそうになりますが、それでも無情に1日1日は過ぎ去っていきます。
しかし、その過ぎ去っていく1日1日を生きている限りは、最後の最後の自分自身だけでも自分を信じてあげなければいけません。
昨日より一歩分でも、顔一個分でもいいから、徐々に徐々に前へと進んでいく決意が最後に述べられます。
3.まとめ
ヒグチアイ『私の代わり』の歌詞考察でした。
不器用で生きていくには頼りなさすぎる自分と、それに気づいてしまううえに原因までしっかりと分析できてしまう鋭い自分との狭間で葛藤している1人の人間を描いた曲でした。
自分のダメなところや原因はしっかりと分かっているのに、日々の失敗の蓄積にトラウマを抱えて行動に移せなかったり、途中で諦めてしまっていた彼女。
しかし、最後の最後には「生きている限りは一歩ずつでも進んでいこう」という決意が語られていましたね。
大きな目標に目を奪われ、それまでの過程をスッポぬかそうとすると、当然足元は覚束ないでしょう。
一歩ずつゆっくり着実に、焦りすぎずに、ダメな自分も一度受け入れてあげることこそが、大きな目標を達成するための一歩ですね。