貴方は今の人生に満足していますか?
なんて、胡散臭い宗教勧誘のような誘い文句から話を切り出してしまいましたが、私は羊文学の「金色」という曲が好きです。
「自分と他人を比べてしまう貴方に」という事で、この曲を是非とも聴いてみてください。

羊文学 ー金色ー
今回は、私なりにこの曲の考察や感想を述べていこうと思います。
ー 羊文学 ー 「金色」の歌詞
彼女の人生は金色
真っ白な照明の下で、きらきらと反射した
きらきらと反射した光
私はテレビゲームで痛い目を擦っては
夢の中でもまだ地球を、地球を守って戦ってる
満足してるよ、人生の大体の部分では
でも少し、あと少しの安心が欲しい
窓際で眠る猫みたいに
陽だまりに溶けてゆく毎日が欲しい
彼女の運命は金色
バックステージでも輝きをやめず、きらきらと放射して
きらきらと絶え間なく光る
はずでもないってことくらい
頭ではわかっているけれど
じりじりと羨んで、羨んでまた見失ってる
満足してるよ、人生の大体の部分では
でも少し、あと少しの説明が欲しい
窓際で眠る猫みたいに
陽だまりに溶けていく毎日が欲しい
満足してるよ、人生の大体の部分では
でも少し、あと少しの安心が欲しい
平気だよって誤魔化すのはもうやめにしてみたい
今日もここで生きる君とちゃんと話がしたい
「金色」の考察
彼女の人生は金色
真っ白な照明の下で、きらきらと反射した
きらきらと反射した光
私はテレビゲームで痛い目を擦っては
夢の中でもまだ地球を、地球を守って戦ってる
これは「彼女」がステージの上にいるような存在で、自分は夜更けまでゲームをしては眠る日々を過ごしているといった様子ですね
満足してるよ、人生の大体の部分では
でも少し、あと少しの安心が欲しい
窓際で眠る猫みたいに
陽だまりに溶けてゆく毎日が欲しい
私は文学的な難しい言葉はまだ理解できません。
ですが、このサビのフレーズを聴いた時に衝撃を受けたのを覚えています。
私の感情の奥底には確かにこの言葉が深く刻まれていて、それを叩き起こされたような気持ちになりました。
現状には概ね満足しているし、自分は比較的恵まれている方だと思う。
それでも、もう少し何かが欲しい。
これは物足りなさから来る渇望ではなく、ただ心の平穏を担保しながら日々をのんびり過ごしたいという感じでしょうか。
中々に文学的すぎて考察が難しいところですね。
記事を書いていてなんですが、割とフィーリングで聴く曲ってあると思うんですよね。
日記のようなこの曲は、フィーリングで聴いてみるのが1番の楽しみ方かもしれません。
「金色」の感想
羊文学は名前にある通りの文学性を持ち合わせていて、この曲に関しては「日常の中で誰しも考えてしまうような、輪郭のない漠然とした感情を言語化したような曲」と言ってもいいでしょう。
羊文学の曲にはちらほら、ボーカルの塩塚モエカさんの日記のような歌詞の曲が登場します。
これは本人も言っていて、金色も日記に近い歌詞なのかなと思いました。
「光るとき」や「マヨイガ」などの死生観や輪廻に関するテーマの楽曲を制作したと思えば、「1999」のようなノストラダムスの大予言や2000年問題をテーマにした曲が存在します。
これだけ壮大なテーマで楽曲を制作する羊文学ですが、私はむしろ「金色」のような日常の中にある気づきを言語化してくれる曲が好きです。
何も考えずに、心に素直に生きてみたいという想いが強くなるような曲でした。