こんにちは
今回は「ずっと真夜中でいいのに。」の新曲「シェードの埃は延長」の歌詞考察をしていきたいなと思います。
ずとまよ(ずっと真夜中でいいのに。)としては、初となるゴールデンタイムの地上波火9ドラマの主題歌曲ということで、より歌詞にも注目していきたい曲ですよね。
「ずっと真夜中でいいのに。」について

「ずっと真夜中でいいのに。」(通称 ずとまよ)とは、ボーカルの「ACAね」を中心に結成された特定の形をもたない音楽ユニットです。
固定のメンバーは「ACAね」さんのみとなり、作詞、作曲、ボーカルを彼女が担当し、曲ごとに楽器メンバー構成が変わっているところも面白いところです。
「秒針を噛む」「お勉強しといてよ」「残機」「TAIDADA」などの数々の人気曲をリリースしている「ずとまよ」ですが、名前の由来として、ACAねさん自身が「何かに没頭していると、大概、夜中か朝になるじゃないですか。それで”ずっと真夜中でいいのに。”だったな、ていうところからです。」という事で「ずっと真夜中でいいのに。」になったようですね。
「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~」とは?

「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~」は、“カメラアイ”と呼ばれる瞬間記憶能力を持つ女性刑事・柊氷月が、忘れたくても忘れられない過去と向き合いながら、癖のある刑事たちとともに事件解決に奮闘していくドラマ。
犯人に対する追求に容赦がなく“氷の女王”とも呼ばれる氷月を波瑠が演じ、氷月が主任を務める警視庁捜査一課第3強行第1係・柊班のメンバーを山本耕史、森本慎太郎(SixTONES)、倉悠貴、柏木悠(超特急)が演じる。脚本を「仮面ライダーギーツ」「マウンテンドクター」の高橋悠也が執筆。演出は「六人の嘘つきな大学生」やドラマ「ストロベリーナイト」の佐藤祐市、「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」の城宝秀則が担当する。(公式サイトから引用)
また、プロデューサーの芳川 茜さんのコメントを紹介します。
プロデュース:芳川 茜 コメント
「ずっと真夜中でいいのに。の中毒性のあるメロディーと、孤独と共鳴する繊細な歌詞が、主人公・氷月の揺れ動く心情やドラマの世界観にぴったりだと感じ、今回主題歌をお願いしました。快諾いただき大変光栄です。完成した楽曲は、ACAねさんならではの視点で氷月の孤独や葛藤に深く寄り添いながら、前へ進む希望も感じさせてくれます。ドラマもこの楽曲と響き合いながら進んでいけたらと思います。ぜひ、物語とともに主題歌にもご注目ください!」
「シェードの埃は延長」 について
まず、「シェードの埃は延長」を作詞したACAねさんのコメントを紹介していきます。
ACAねさん コメント
ドラマの主題歌は初めてで、今回お声がけいただき嬉しかったです。アイシーの脚本を読んで、今の自分と対話しながら作っていきました。シェードの埃が溜まったままひとりで自問自答を続けてる、より複雑に悪い方向に考えてしまう、でもまだ諦められない、そんな時間の経過とか古びた温もりを込めた曲を作りたくなりました。わたしも毎週見るのが楽しみです。
ACAねさんは脚本を読み、今の自分と対話しながら制作をしたそうで、芳川 茜さんが仰っていたようにACAねさんの視点で孤独や葛藤に寄り添ってくれる曲となっていて、少し寂しさも感じつつ、明るく美しい疾走感、そしてサビの力強い歌い方から、前に進んでいこうという意味が強く感じられる曲となっていますね。
「シェードの埃は延長」 歌詞
吐き出せないまま 消えてった
溶けてった それでよかった
吐き出さないまま 消えてって お願い
吐き出せないまま 消えてった
溶けてった それでよかった
吐き出さないまま 消えてって お願い
聞こえない また隅で塞ぐだけ
蜘蛛の巣の 狭間で立ち尽くす裸足
わたしがわからない
変わらない?容易くは放てない?
絡み付いた先に 何もないくせに
ひとりごと続けてゆく
シェードの埃は延長
平然ぶって 砕けてく ぬるい記録
涙を凍らせて 笑うんだ 嗚呼
平然ぶって 踊ってみる 容赦なく
息が痛く鳴る 君のせいだよ
吐き出せないまま 消えてった
溶けてった それでよかった
吐き出さないまま 消えてって お願い
期待なんてしたくないけど延長
諦めてるわけではないから
暗いホーム ステイゴールド
心が貧乏 共感できないことだもん
それは通常 ずっと予測できたこと
誰のためでもない言葉に 縋って居座って
リハビリが必要
雑に生きられない
わからない でもそれはしょうがない?
わかろうとする想像力はいつしか
つぶつぶと弾け飛ぶ
シェードの埃は延長
平然ぶって 砕けてく ぬるい記録
涙を凍らせて 笑うんだ 嗚呼
平然ぶって 踊ってみる 容赦なく
息が痛く鳴る 君のせいだよ
シェードの誇りは戦場
まだ見てしまう
瞬間的に覚えてしまう 血飛沫
はみ出したらまた無事シャットダウン
仕事だからやるけど自分で
楽に考える方が不安定?
おとなしく 大人らしくしたけど
人目は気にしない。話して 放て
誰かが喜んでいる ぬるい記録
涙を凍らせて 笑うんだ 嗚呼
平然ぶって 踊ってみる 容赦なく
息が居たくなる 君のせいだよ
吐き出せないまま 消えてった
溶けてった それでよかった
吐き出さないまま 消えてって お願い
愛す余地もなく 消えてった
溶けてった それでよかった
愛す余地もなく 消えてってお願い
「シェードの埃は延長」歌詞考察
まず、タイトルの意味を考察していきます。
シェードと言いますと、日よけや日陰という意味がありますが、スラングとしての意味では、「悪口を言う」「馬鹿にする」と言う意味もあるようです。
しかし、「シェードの埃が溜まったままひとりで自問自答を続けてる」と仰っているので、そのままの意味で大丈夫でしょう。
ですから「シェードの埃は延長」→「シェードの埃はそのまま」っていう意味で、埃が溜まったまま、長い間(延長)自問自答を続けてるというタイトルだと予想できます。
「吐き出せないまま 消えてった
溶けてった それでよかった
吐き出さないまま 消えてって お願い×2」
まず最初は、言いたいことが吐き出せないまま消えていってしまう気持ちが表されていて、「それでよかった」と言っていますが、この部分が繰り返されているため、吐き出せない、出さないと気持ちが揺らいでいる様子が想像できます。
「聞こえない また隅で塞ぐだけ
蜘蛛の巣の 狭間で立ち尽くす裸足
わたしがわからない」
この曲に込められている意味として「思っていることを吐き出せない心の思いが込められている」曲であることを考えると、
自分の中にいる心の中の自分が、小さい隅っこや蜘蛛の巣の狭間で裸足のまま何もできずにいる(吐き出せない)と表現されているのではないのかなと考察できます。
「変わらない?容易くは放てない?
絡み付いた先に 何もないくせに
ひとりごと続けてゆく」
変わらない、簡単には捨てられない思いがあるのに、考えても考えても何もできない、吐き出せない本心を一人で考え込んでしまっている葛藤が表現されているのではないでしょうか?
「平然ぶって 砕けてく ぬるい記録
涙を凍らせて 笑うんだ 嗚呼
平然ぶって 踊ってみる 容赦なく
息が痛く鳴る 君のせいだよ」
XにてACAねさんが「自分にとってはどうしようもなく苦しい記憶が誰かにとっては笑えるような、ぬるい記録だったり、その逆も然り、狂い壊れることは本当は珍しいことではなくて、案外日常的で、そのために支えになるものがあって、リハビリが必要で まずじぶんの現状に気づけることが大事 堂々としてたらいいよと言い聞かせる」と言っていました。
例えば、思春期の時に自分にとって何か辛いことがあっても、大人からしたらたいしたことない、笑い話にできるようなことだったり、逆に大人になった今、あの時は大変だったよなと感じたりすることがあることを表現しているようですね。
今、辛いことがあっても涙を堪えて笑えるよう(涙を凍らせて 笑うんだ)にしてやろう!でも無理しすぎないようにしていきたいですね。
「期待なんてしたくないけど延長
諦めてるわけではないから
暗いホーム ステイゴールド
心が貧乏 共感できないことだもん
それは通常 ずっと予測できたこと
誰のためでもない言葉に 縋って居座って
リハビリが必要
雑に生きられない」
期待はしたくない、諦めているわけじゃないけど、心が乏しい人に対して自分の気持ちが共感してもらえない。
そんなことはいつも通りで誰のためでもない言葉なのは分かっているけど、考えすぎて適当に生きられない自分に対して助けを求めているように感じられます。
「シェードの誇りは戦場
まだ見てしまう
瞬間的に覚えてしまう 血飛沫
はみ出したらまた無事シャットダウン
仕事だからやるけど自分で
楽に考える方が不安定?
おとなしく 大人らしくしたけど
人目は気にしない。話して 放て」
ここでは「シェードの埃は延長」が「シェードの誇りは戦場」に変わっていますね。
「人目は気にしない。話して 放て」とこの部分に注目してみると、今まで人の目を気にしていて言いたいことが言えずに消えていっていたのが、人目を気にしないで言いたいことを話す強さを手に入れたようにも感じられます。
今回の曲は、ACAねさん自身が体験した話も交えつつ、孤独や葛藤に打ち勝ち前に進んでいこうという意味が強く感じられる曲となっていますね!