indigo la End『夜凪(feat. にしな)』[新曲/歌詞考察]

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みなさんこんにちは!

2025/1/29にリリースされたindigo la Endのニューアルバム『MOLTING AND DANCING』はもうチェックしましたか?

「冬」「夜」「雨」にフォーカスしており、失恋や郷愁に強く結びつく歌詞、サウンドが特徴的な本アルバム。

indigo la End Official YouTube Channel

今回は『MOLTING AND DANCING』に収録された「にしな」とのコラボ曲である『夜凪(feat. にしな)』の歌詞を考察していきます!

ぜひ最後までご覧ください!

目次

1.『夜凪(feat. にしな)』歌詞

あなたと同じ匂いをかじった
まるで暮らしの一部のような
当たり前に優しくて
嘘みたいに眩しい
良い別れ方があるのなら
きっとこんな感じなんだろう

冬が終わるまでさよならは待ってよ
小さく光る寒さに酔ってよ
まだあなたとニ人でいたいから
ねえ、あと少しだけ


全てわかっているからダーリン
過ぎれば過ぎるほどアンハッピー
鈍い白が視界で揺れるから
綺麗なくせに悲しいよ

そっけないのも
ちょっと好きだった
あっけないのは
ちょっと嫌いだよ
こんなに静かな夜に泣くのは
きっと嫌いだよね

冬のいたずらでニ人を繋いでよ
ドラマチックな夜を描いてよ
まだあなたの心にいたいから
離れたくないよ


別れを彩らないでウィンター
あなただけで進んでくハイウェイ
わかってるけど知りたくないよ

会いたいと思っても
春に呑み込まれていくのでしょう

冬が終わるまでさよならは待ってよ
小さく光る寒さに酔ってよ
まだあなたとニ人でいたいから
ねえ、あと少しだけ


全てわかっているからダーリン
過ぎれば過ぎるほどアンハッピー
鈍い白が視界で揺らいでる

冬が終わるからバイバイ
幸せだったよ

冬が終わるからバイバイ
大好きだったよ

2.『夜凪(feat. にしな)』歌詞考察

タイトル「夜凪」は、夜の静けさと風の凪いだ状態を指す言葉です。

この言葉の曲においての意味としては、別れの直前に訪れる静寂や穏やかな時間、そしてその裏に隠された感情の揺らぎを表していると考えられます。

このタイトルが曲全体のテーマにどのように関わるのかを考えながら、一節ずつ考察していきます。

2-1.終わりへ向かっていく2人の物語

あなたと同じ匂いをかじった
まるで暮らしの一部のような
当たり前に優しくて
嘘みたいに眩しい
良い別れ方があるのなら
きっとこんな感じなんだろう

ここでは、2人の関係が日常に溶け込み、自然で穏やかなものであったことが描かれています。

「匂いをかじった」という表現は、相手との共有した記憶や感覚を暗示しているのでしょう。

ふたりの生活が日常的でありながら、それがどこか非現実的な美しさとして映し出される様子が「嘘みたいに眩しい」という言葉に表れています。

そして「良い別れ方があるのなら」というフレーズは、この曲が単なる悲しみではなく、穏やかさを持ったいわゆる円満な別れの物語であることを示唆しています。

2-2. 引き止めたい思いと受け入れるしかない別れ

冬が終わるまでさよならは待ってよ
小さく光る寒さに酔ってよ
まだあなたと二人でいたいから
ねえ、あと少しだけ

全てわかっているからダーリン
過ぎれば過ぎるほどアンハッピー
鈍い白が視界で揺れるから
綺麗なくせに悲しいよ

サビの部分です。

「冬が終わるまで」という期限付きのお願いが、別れを目前にしても相手との時間を少しでも長く共有したいという切実な想いを表しています。

たしかに、冬といえば人肌恋しくなる季節ですから、いずれ終わるならば冬だけは避けたいものです…。

「小さく光る寒さ」は、冒頭でも触れた冬の厳しさの中にある2人の生活の眩しさのことでしょう。

そして、それに「酔ってほしい」ということは「別れない」という選択をとってほしいということでしょう。

「あと少しだけ」という言葉には、終わりが近いことを受け入れつつも、それに抗う心情が込められています。

「全てわかっている」というフレーズは、別れが避けられないものだと理解している心情を示しています。

しかし、それでも「過ぎれば過ぎるほどアンハッピー」という言葉は、時間が経つにつれ、失うことへの悲しみが増していくという矛盾を描き出しています。

「鈍い白」は、この曲の舞台である「冬」に基づいて儚く溶けて消えていく「雪」を連想させる言葉ですね。

また、冒頭で「眩しい」と表現されたふたりで過ごす時間のことでもあると思います。

そしてその白が映る視界が揺れることで、ふたりの幸せな時間の揺らぎや、心の不安定さを象徴しているようです。

その光景の「綺麗さ」と「悲しさ」が同居することが、別れに向かう中での複雑な感情を強調していますね。

2-3. どんなに好きでも唐突に迎える終わり

そっけないのも
ちょっと好きだった
あっけないのは
ちょっと嫌いだよ
こんなに静かな夜に泣くのは
きっと嫌いだよね

ここでは、相手の「そっけなさ」「静かな夜」に対する感情が語られています。

「そっけないのも好きだった」という部分は、相手の欠点や一見冷たい部分も含めて受け入れていたという愛情の表れでしょう。

一方で、「あっけないのは嫌いだよ」という言葉には、突然の別れや終わり方への抵抗が込められているようです。

「そ(っけない)」と「あ(っけない)」が上手い対比になっていますね。

また「静かな夜に泣く」という行為が描かれることで、この別れが静寂の中でゆっくりと訪れる様子が描かれています。

これまた、「静かに泣く夜」という表現がindigo la Endの楽曲を聴いていることを実感させますね。

2-4.それでも受け入れたくない悪足掻き

冬のいたずらで二人を繋いでよ
ドラマチックな夜を描いてよ
まだあなたの心にいたいから
離れたくないよ

別れを彩らないでウィンター
あなただけで進んでくハイウェイ
わかってるけど知りたくないよ

「冬のいたずらで二人を繋いでよ」という表現は、近づく別れへの拒絶を、とうとう冬という季節にまで託してしまう手詰まりな状態を表しています。

「猫の手も借りたい」的な表現ですね。

二人の関係が少しでも長く続くようにと願う切実な想いが込められています。

そしてまた、この部分では自分の気持ちに素直になり、相手に訴えかけようとする姿勢が印象的です。

まだ相手の心の中にいたい、離れたくないという感情は、別れの現実を前にした揺れる心情。

「別れを彩らないで」というフレーズには、別れを過度に美化することなく、そのままの形で受け止めたいという意志が感じられます。

一方で、「あなただけで進んでくハイウェイ」は、相手がこれから自分とは別の道を進んでいく現実を示しています。

しかし、「わかってるけど知りたくない」という言葉により、理解していても感情が追いつかない心の葛藤が鮮明に描かれています。

会いたいと思っても
春に呑み込まれていくのでしょう

「春に呑み込まれていく」というフレーズは、季節の移ろいとともに別れの悲しみや相手への想いが薄れていく運命を暗示しています。

「会いたいと思っても」という言葉には、別れてしまった後も相手を恋しく思う気持ちが含まれていますが、それが時の流れに抗えないことを悟る切なさも感じられます。

この部分では、希望と諦めが交錯しているように見えますね。

2-6.失恋時に起こりがちな視界の狭まり

冬が終わるまでさよならは待ってよ
小さく光る寒さに酔ってよ
まだあなたと二人でいたいから
ねえ、あと少しだけ

全てわかっているからダーリン
過ぎれば過ぎるほどアンハッピー
鈍い白が視界で揺らいでる

このサビは繰り返されますが、文脈が進むにつれ、この願いがさらに切実なものとして響いてきます。

「小さく光る寒さ」は、今だけの特別な感情を表し、それに酔うことで少しでも別れの悲しさを忘れようとしているようです。

「あと少しだけ」という言葉には、もう叶わないと知りながらも、最後の時間を懇願する気持ちがより強調されています。

再び登場するこのフレーズは、時間が経つほど悲しみが深くなっていく感情が続いていることを強調します。

「鈍い白が視界で揺らいでる」という表現には、冬の景色が次第にぼやけていく様子が描かれ、二人の関係の終わりが近づいている暗示としても捉えられます。

2回目にやってくるサビも、1番のサビと全く同じ歌詞となっています。

この繰り返しが、ただ目の前の別れを受け入れきれない心の揺れ動きを際立たせています。

2-7.厳しい寒さを抜けて、新しい季節へ

冬が終わるからバイバイ
幸せだったよ
冬が終わるからバイバイ
大好きだったよ

最後のフレーズでは、「冬が終わる」という決定的な別れのタイミングが描かれています。

「幸せだったよ」「大好きだったよ」という言葉には、後悔や未練というよりも、感謝と愛情が込められているようです。

この穏やかな締めくくりは、別れが悲しいだけでなく、二人が過ごした時間が尊いものであったことを強調しています。

この曲全体は、「夜凪」という静けさの中で、自分の中に湧き上がるさまざまな感情を整理しながら、別れに向き合う心の旅を描いているように感じます。

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