私は羊文学の歌詞の文学的センスと、力強くも優しい歌声が大好きなのですが、実は羊文学は元々コピーバンドでした。
結構色々な曲をカバーしている羊文学ですが、その中でも私が特に好きなのは、GOING STEADYの「銀河鉄道の夜」のカバーです。
GOING STEADY(以下:ゴイステ)の魂に響く力強い歌い方とはまた少し違った、塩塚さんの心に染みるような歌声でカバーされたこちらの曲を紹介していきます。
「銀河鉄道の夜」の基本情報
銀河鉄道の夜は、ゴイステが2001年7月6日にリリースした曲で、アルバム「さくらの唄」に収録。
当時10代から絶大な支持を得ていたゴイステは、青春というコンセプトの基にこの曲を制作しています。
若さゆえの煮え切らない想いを銀河の彼方に向けて大声で歌う、切ない恋の気持ちを描いた楽曲です。
これは余談ですが、サビの曲調が松任谷由実さんの「守ってあげたい」に酷似していると言われてるみたいですね。
「銀河鉄道の夜」歌詞
日々ひび割れ柿ノ実 夕焼けて夜は来た
空水色オーロラ 蜂蜜に濡れた月
赤レンガ煙突の上 ガイコツが踊ってる
ハロー今君に素張らしい世界が見えますか
北風は吹雪くのを止めカシオピア輝いて
恋人達は寄り添って静かに歌うのでした
声高円寺に消えやがて汽笛は響き
噛むカムチャッカのガム 蒼白く甘い夜
シベリア鉄道乗り換え 東北を目指します
ハロー今君に素張らしい世界が見えますか
北風は吹雪くのを止めカシオペア輝いて
恋人たちは寄り添って静かに歌うのでした
銀河鉄道の夜 僕はもう空の向こう
飛び立ってしまいたい あなたを
銀河鉄道の夜 僕はもう空の向こう
飛び立ってしまいたい あなたを想いながら
星めぐりの口笛を吹いて
裸のまま一人ぼっち涙も枯れた
ハロー 今君に素晴らしい世界が見えますか
ハロー今君に素晴らしい世界が見えますか ah
銀河鉄道の夜 僕はもう空の向こう
飛び立ってしまいたい あなたを
銀河鉄道の夜僕はもう空の向こう
飛び立ってしまいたい あなたを想いながら
あなたを想いながら(想いながら)
あなたを想いながら
羊文学カバー「銀河鉄道の夜」紹介
オリジナル曲がゴイステという事もあって、峯田和伸さんが不器用にも力強く叫びながら歌うのが特徴の曲です。
そんなこの曲を、羊文学の塩塚モエカさんは力強くハッキリとした歌声に加えて、霧のように囁く優しい歌声、透き通る高い声を使い分けて歌います。
このカバー曲の良いところは、歌っている人は全く違うのにも関わらず、曲の良さが全く消えてないんです。
カバーって原曲を歌っているアーティストが伝えたい気持ちや、曲のコンセプトがまるっきり消えてしまう事が多々ありますよね。
羊文学カバーのこの曲は原曲よりも少しキーが高めになっていますが、サビの迫力は羊文学らしいとも、ゴイステの曲らしいとも言えます。
男性が歌う中でも特に力強く歌われているこの歌を、ここまで迫力を残しながら自分のバンドに落とし込めているのは、かなり技量が高い証拠と言えます。
塩塚さんの書く歌詞に、少し似ているのもまた良いですよね。
羊文学オリジナル曲も大好きですが、非常にレベルの高いカバーが行われている「銀河鉄道の夜」も好きな一曲です。