ディア・エヴァン・ハンセン 「Waving Through a Window」-Ben Platt-和訳と歌詞考察

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こんにちは!
今回はミュージカルから映像化された作品「Dear Evan Hansen」(ディア・エヴァン・ハンセン)より「Waving Through a Window」という歌の和訳と、歌詞の意味を見ていきます。

作品に絡めた内容の曲となるので、本編の内容に触れながら解説していきます。

まだ本編をご覧になっていない方はネタバレにご注意ください。


Universal Pictures
目次

ディア・エヴァン・ハンセンのあらすじ

エヴァン・ハンセン(ベン・プラット)は学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいる。

ある日、自分宛に書いた“Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)”から始まる手紙を、図らずも同級生のコナー(コルトン・ライアン)に持ち去られてしまう。

後日、校長から呼び出されたエヴァンは、コナーが自ら命を絶った事を知らされる。

悲しみに暮れるコナーの両親は、手紙を見つけ息子とエヴァンが親友だったと思い込む。

彼らをこれ以上苦しめたくないエヴァンは思わず話を合わせてしまう。

そして促されるままに語った“ありもしないコナーとの思い出”は人々の心を打ち、SNS を通じて世界中に広がり、彼の人生は大きく動き出す……。

フィルマガ

この映画は冒頭にも記述した通り、元はミュージカル作品でした。

私の意見としては非常に映画向きな作品であり、引き込まれるものでした。

しかし、物語自体を要約すると「内向的で自己保身型の主人公が、自殺者遺族についた嘘がSNSで広がり、後に引けなくなってヤバいお話」なので、あまり良い終わり方はしません。

ただ、そこに至るまでの主人公の生き様などは共感できる部分があり、非常に面白い作品となっています。

「Waving Through a Window」歌詞(和訳付き)

I’ve learned to slam on the brake
(最初に覚えたのはブレーキの踏み方)

Before I even turn the key
(キーを差し込み、回すより前に)

Before I make the mistake
(最大の過ちを犯す前に)

Before I lead with the worst of me
(最低の自分が顕になってしまう前に)


Give them no reason to stare
(他人に変な目で見られる原因を作らないよう)

No slipping up if you slip away
(こっそり逃げ出せばやらかさずに済む)

So I got nothing to share
(話すことなんて特にないよ)

No, I got nothing to say
(大丈夫、言いたいことなんてないから)


Step out, step out of the sun
(太陽の下から逃げないと)

If you keep getting burned
(火傷し続けているのなら)

Step out, step out of the sun
(日陰に身を潜めないと)

Because you’ve learned, because you’ve learned
(だって経験から学んだから、充分分かっているから)


On the outside, always looking in
(僕はいつも外側にいて、中を覗き込んでいる)

Will I ever be more than I’ve always been?
(いつの日か、今よりマシな人間になれるかな)

‘Cause I’m tap, tap, tapping on the glass
(ガラスをひたすら叩いては)

I’m waving through a window
(窓の向こうに手を振り続ける)


I try to speak, but nobody can hear
(話そうとしたって、誰にも聞こえないから)

So I wait around for an answer to appear
(答えが出るのをじっと待っている)

While I’m watch, watch, watching people pass
(人々が通り過ぎるのをただ眺めながら)

I’m waving through a window, oh
(窓の向こうに手を振り続ける)

Can anybody see, is anybody waving back at me?
(誰か、僕のことを見える人はいない?手を振り返してくれないかな?)


We start with stars in our eyes
(最初は誰だって、目をキラキラ輝かせて)

We start believing that we belong
(自分の居場所があるって信じてる)

But every sun doesn’t rise
(でも、昇らない太陽もあるし)

And no one tells you where you went wrong
(どこで間違えたかを教えてくれる人だっていない)


Step out, step out of the sun
(太陽の下から逃げないと)

If you keep getting burned
(火傷し続けているなら)

Step out, step out of the sun
(日陰に身を潜めないと)

Because you’ve learned, because you’ve learned
(だって経験から学んだから、充分分かっているから)


On the outside, always looking in
(僕はいつも外側にいて、中を覗き込んでいる)

Will I ever be more than I’ve always been?
( いつの日か、今よりマシな人間になれるかな)

‘Cause I’m tap, tap, tapping on the glass
(ガラスをひたすら叩いては)

Waving through a window
(窓の向こうに手を振り続ける)


I try to speak, but nobody can hear
(話そうとしたって、誰にも聞こえないから)

So I wait around for an answer to appear
(答えが出るのをじっと待っている)

While I’m watch, watch, watching people pass
(人々が通り過ぎるのをただ眺めながら)

Waving through a window, oh
(窓の向こうに手を振り続ける)

Can anybody see, is anybody waving?
(誰か、僕のことを見える人はいない?手を振り返してくれないかな?)


When you’re falling in a forest and there’s nobody around
(森の中で転んだとき、周りに誰もいなかったとして)

Do you ever really crash, or even make a sound?
(それは本当に転んだと言える?転ぶ音すらしたと言える?)

When you’re falling in a forest and there’s nobody around
(森の中で転んだときに1人きりだったら)

Do you ever really crash, or even make a sound?
(それは転んだことになるの?音を立てたことになる?)


Did I even make a sound?
(僕は本当に音を立てた?)

Did I even make a sound?
(本当に音を立てたといえる?)

It’s like I never made a sound
(まるで今まで一度も転ぶ音なんて立てなかったみたいだ)

Will I ever make a sound?
(これから先、僕が転ぶ音を立てる事はあるのかな)


On the outside, always looking in
(僕はいつも外側にいて、中を覗き込んでいる)

Will I ever be more than I’ve always been?
( いつの日か、今よりマシな人間になれるかな)

‘Cause I’m tap, tap, tapping on the glass
(ガラスをひたすら叩いては)

Waving through a window
(窓の向こうに手を振り続ける)


I try to speak, but nobody can hear
(話そうとしたって、誰にも聞こえないから)

So I wait around for an answer to appear
(答えが出るのをじっと待っている)

While I’m watch, watch, watching people pass
(人々が通り過ぎるのをただ眺めながら)

I’m waving through a window, oh
(窓の向こうに手を振り続ける)

Can anybody see, is anybody waving back at me?
(誰か、僕のことを見える人はいない?手を振り返してくれないかな?)


Is anybody waving?
(手を振ってる人はいないの?)

Waving, waving…
(手を振り返してくれる人はいない?)

「Waving Through a Window」歌詞考察

ここから先は本編のネタバレを含むのでご注意ください!


この歌は映画の本編冒頭で流れるのですが、エヴァン・ハンセンという人間の人物像が歌詞にしっかりと落とし込まれた非常に素晴らしい歌となっています。

例えば歌い出しのこの部分

I’ve learned to slam on the brake
(最初に覚えたのはブレーキの踏み方)

Before I even turn the key
(キーを差し込み、回すより前に)

キーを差してエンジンをかけてもすぐに車が発進する訳ではないのに、まずは止まる方法を覚えたという歌詞になりますが、日本で言う「石橋を叩いて渡る」に近しいものがありますよね。

前に進んでいく方法ではなく、その場に留まる方法を知るところから始めた

そんな彼の後ろ向きな人物像が、2文から読み取れます。

Step out, step out of the sun
(太陽の下から逃げないと)

If you keep getting burned
(火傷し続けているのなら)

Step out, step out of the sun
(日陰に身を潜めないと)

Because you’ve learned, because you’ve learned
(だって経験から学んだから、充分分かっているから)

エヴァン・ハンセンは人々の目に晒されることを、太陽の光に当たっている状態だと比喩しています。

彼にとって人々の目は太陽で、この下に長く晒されていると火傷をしてしまう。

だから人目に当たらないように、目立たないように過ごしているのですね。

映画の冒頭で歌が始まる前に、彼は母から新しい柄のシャツを貰うのですが、着た自分を鏡で見てから結局いつも着ているシャツへと着替えて登校してしまいます。

いつもと違う柄のシャツを着ることすら、誰かの目についてしまうのではないかと恐怖している彼の感情が読み取れる一幕でした。

On the outside, always looking in
(僕はいつも外側にいて、中を覗き込んでいる)

Will I ever be more than I’ve always been?
( いつの日か、今よりマシな人間になれるかな)

‘Cause I’m tap, tap, tapping on the glass
(ガラスをひたすら叩いては)

Waving through a window
(窓の向こうに手を振り続ける)

この歌詞は非常に面白いです。

というのも、エヴァンは家の中から窓の外を眺めている場面でこの歌詞が歌われるのですが、彼は「外側」と言っています。

家の窓から外を見つめていたとしたら、我々なら中から外を見てると考える所を、エヴァンは外側から中を見つめていると考えているんですよね。

窓を叩いて向こうに手を振っているけれど、誰も返事をしてはくれない。

今の人生から抜け出したいけど、自分から行くことはできずに人の助けを待っている。

とにかく消極的で後ろ向きな人生を過ごしてきた人物である事がよく分かりますよね。

When you’re falling in a forest and there’s nobody around
(森の中で転んだとき、周りに誰もいなかったとして)

Do you ever really crash, or even make a sound?
(それは本当に転んだと言える?転ぶ音すらしたと言える?)

When you’re falling in a forest and there’s nobody around
(森の中で転んだときに1人きりだったら)

Do you ever really crash, or even make a sound?
(それは転んだことになるの?音を立てたことになる?)

ここから急に哲学的な歌詞になりましたが…

エヴァン・ハンセンは腕を怪我した状態で登場し、腕に付けているギプスから物語が展開されていくのですが、怪我の理由は終盤まで明かされませんでした。

実は怪我の理由が、森で自殺未遂をしたからなんです。

飛び降りた際に高さが足りず、腕を怪我したのみで終わっていたのです。

この歌は冒頭で流れるので気づけないのですが、伏線を回収するように歌詞が書かれています。

エヴァンの人物像や心情がかなり浮き彫りになり、物語に最適な一曲となっています。

まとめ

この曲は主演のベン・プラットさんの演技と歌唱力もあって、非常に物語に引き込まれる掴みの曲となっています。

自信の無さそうな声から、サビの力強いビブラートも聴いていて気持ちがいいです。

本編ではこの曲以外にも素晴らしい曲がたくさんあるので、ぜひ本編も見てみてください。

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