Mrs.GREEN APPLE『クスシキ』歌詞考察─愛の言葉にうずまく感情たち

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みなさんこんにちは!

2025/4/5にMrs.GREEN APPLEの新曲『クスシキ』がリリースされました!

この曲はアニメ『薬屋のひとりごと』の2期OPテーマとなっており、タイトル『クスシキ』も「薬」の語源である「奇し(くすし)」から来ているそうです。

「摩訶不思議」を意味する『クスシキ』を冠するこの曲は一体何を伝えようとしているのか…。

今回は、そんなMrs.GREEN APPLE新曲『クスシキ』の歌詞を考察して行きたいと思います!

目次

1.『クスシキ』歌詞

摩訶不思議だ

言霊は誠か

偽ってる彼奴は天に堕ちていった

って聞いたんだけども

彼奴はどうも

皆に愛されてたらしい

感じたい思いは故に自由自在だ

奇しき術から転じた

まほろば

「あなたが居る」

それだけで今日も

生きる傷みを思い知らされる

愛してるとごめんねの差って

まるで月と太陽ね

また明日会えるからいいやって

何一つ学びやしない魂も

貴方をまた想う

今世も

奉仕だ

こうしたいとかより

こうして欲しいが聞きたい

思いの外自分軸の世界

一周半廻った愛を喰らいたい

私に効く薬は何処だ

馬鹿に言わせりゃ

この世は極楽だ

正直になれない私はいつか

素直になれるあの子にきっと

色々と遅れては奪われる

愛してると大好きの差って

まるで月と月面ね

また呑んだ言葉が芽を出して

身体の中にずっと残れば

気づけば拗れる恋模様

めくれば次の章

石になった貴方の歌を

口ずさんで歩こう

ひとりじゃないって笑おう

分厚めの次の本

病になった私の歌を

口ずさんで歩こう

ひとりの夜を歩こう

愛してるよ

ごめんね

じゃあね

まるで夜の太陽ね

クスシキ時間の流れで

大切を見つけた魂も

貴方をまた想う

来世も

2.『クスシキ』歌詞考察

2-1.簡単に測れない人の本質

摩訶不思議だ

言霊は誠か

偽ってる彼奴は天に堕ちていった

って聞いたんだけども

彼奴はどうも

皆に愛されてたらしい

言葉には不思議な力(言霊)があると信じられているが、それが本当かどうか疑っている様子です。

「偽ってる彼奴」は嘘をついて天に“堕ちた”と語られるが、実際は皆に愛されていたらしい、という矛盾が描かれています。

世間の評価や伝聞が必ずしも真実とは限らないこと、人の本質を見極める難しさがテーマになっています。

2-2.感情が創り上げる変幻自在な世界

感じたい思いは故に自由自在だ

奇しき術から転じた

まほろば

「あなたが居る」

それだけで今日も

生きる傷みを思い知らされる

「まほろば」は理想郷の意。

「感じたい思い」は、心が自由であるがゆえに変幻自在であり、それが奇跡的な何かから転じた美しさ(まほろば)に繋がっていると捉えられます。

そして、「あなたが居る」だけで生きている実感、痛みや苦しみすら感じられるということは、愛があるからこそ人は深く傷つくし、同時に生きている実感を得るという矛盾した感情が語られています。

2-3.「ごめんね」もまた愛の言葉

愛してるとごめんねの差って

まるで月と太陽ね

また明日会えるからいいやって

何一つ学びやしない魂も

貴方をまた想う

今世も

「愛してる」「ごめんね」は全く違う感情なのに、それが交錯する人間関係の中で曖昧になってしまう。

まるで月と太陽のように性質が異なるけれど、互いに存在を照らし合っている関係を象徴しています。

「また明日」と軽く済ませてしまう一方で、学ばない魂(=変わらない自分)が、今世でも相手を思い続けているという、執着や未練も感じられます。

2-4.利他こそが愛である

奉仕だ

こうしたいとかより

こうして欲しいが聞きたい

思いの外自分軸の世界

一周半廻った愛を喰らいたい

私に効く薬は何処だ

→本当の愛や関係性とは「自分がしたいこと」ではなく「相手が望むこと」に応えること=奉仕であるという考えが語られています。

世界は思いのほか自分本位であり、そんな中で本質的な愛を求める姿勢が描かれます。

一周半回ってきた=苦悩と経験を積み重ねた愛を受け取りたいという欲求もあり、「薬」は心の癒しや救いとなる「愛」を指しているのでしょう。

2-5.素直になりきれない自分

馬鹿に言わせりゃ

この世は極楽だ

正直になれない私はいつか

素直になれるあの子にきっと

色々と遅れては奪われる

世間では「この世は楽しい」と言う者もいるが、自分は正直になれずに苦しんでいる。

素直に生きられる人(=あの子)は、そんな自分よりも先に進み、結果的に大切なものを奪っていく。

自己嫌悪と他者への嫉妬、そして素直になることの大切さが滲んでいます。

2-6.本質的な好意を伝えられない

愛してると大好きの差って

まるで月と月面ね

また呑んだ言葉が芽を出して

身体の中にずっと残れば

気づけば拗れる恋模様

「愛してる」と「大好き」の違いも微妙で深い。

月とその表面のように、対象の本質を含む包括的な感情か、表面的な部分を撫でるだけの浅い感情かで、近いようでありながらも言葉の意味は大きく異なります。

飲み込んだ言葉(言えなかった気持ち)が心の中で発芽し、拗れてしまう恋愛関係を描いています。

感情を抑えたことでこじれる様が切なく表現されていますね。

2-7.記憶として共に進む

めくれば次の章

石になった貴方の歌を

口ずさんで歩こう

ひとりじゃないって笑おう

分厚めの次の本

病になった私の歌を

口ずさんで歩こう

ひとりの夜を歩こう

物語が「次の章」に進んでも、愛する人(貴方)の歌を忘れずに口ずさみながら生きていこうとしています。

「石になった」は死や別れを暗示する表現ですが、記憶として共に歩もうという意思があります。

「病になった私の歌」は、自分自身の痛みや苦しみも歌として抱えながら歩く、孤独と共に生きる決意が表れています。

2-8.永遠の愛

愛してるよ

ごめんね

じゃあね

まるで夜の太陽ね

クスシキ時間の流れで

大切を見つけた魂も

貴方をまた想う

来世も

この節は総まとめのような印象です。

「愛してる」「ごめんね」「じゃあね」といった愛と別れの言葉が続きますが、それらがまるで「夜の太陽」=あり得ないような存在でありながら確かに心に残る特別なものになっています。

不可思議(クスシキ)な時間の中で、本当に大切なものを見つけた魂は、たとえ来世になっても「貴方」を想い続けるという永遠的な深い愛が語られています。

3.まとめ

「愛」や「言葉」の周りにうずまく、人間の様々な感情を捉えた歌詞になっていると思います。

歌詞の中で様々な場面展開がなされていくので、なにかひとつ掻い摘んでまとめるとなると、撮り漏らすものが多くなってしまいますから、無理矢理まとめるのも控えておこうと思います笑

是非、その時折々の自分に合った場面とメッセージというのをこの考察記事からチェックしてみてください!

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