私たちの地球で壮大に広がる海、その中を泳ぐ魚、その光景は美しくずっと見ていたくなりますよね。
ですが……そんな海が深刻な海洋汚染に晒されてきています。
皆さん海洋汚染という言葉を聞いた事はありますか?
近年では海洋汚染が深刻な問題になっており、我々の身体や魚たちに悪影響を与えています。
そしてこれは地震などの私達が被害者となる自然災害とは異なり、私達が加害者なのです。
現在世界各国で海洋汚染の議論がされ対策を進められていますが、今私たちにもできる事が多くあります。
この記事では海洋汚染による私たちや魚への影響、今すぐに対策できることを紹介していきます。
1 . 海洋汚染とは?
ニュースでもよく聞く海洋汚染とは具体的にどんな状況なのでしょうか?
ズバリ海洋汚染とは、人間の行為によって海が汚染されてしまうことをいいます。
ポイ捨てやプラごみの大量排出など原因は様々ですし、何より意識的に生活していかないと加害者に自覚がなくなる事も非常に問題です。
2 . 海洋汚染の原因
そもそもなぜ海洋が汚染されてしまうのか?
海洋汚染は家や工場からの排水によって、化学物質が流れ出てしまう事やプラスチックなどの海洋ごみ、船による石油の流出などが主な原因にとなります。
2. 1 プラスチックごみ
海岸にペットボトルなどが散乱しているのを目にしたことがある人は多いと思います。
そうなんです、海洋ごみの約65%も占めていて近年大きな問題になっているのがプラスチックごみです。
風化して細かくなったプラスチックごみを食べた魚に深刻な影響を与えるほか、時には船の航行を妨げたりする事もあります。
不適切な捨てられ方をしたごみや、自然災害で発生したごみなどが海へ流れ着いて海洋ごみとなります。
プラスチックは分解に数百年以上かかるため、一度海に流出してしまうと半永久的に海に蓄積されていく事になります。
先ほど話にあげた細かくなったプラごみは通称『マイクロプラスチック』(5㎜以下の微細なプラスチック粒子のこと)と呼ばれており、世界中で問題とされているこのマイクロプラスチックは私たちの身体や海洋生態系への影響が懸念されています。
2 . 2 生活排水
皆さんも普段の生活で料理や洗濯、トイレをするのに水を使いますよね?
生活排水とは
• 料理に使用した油、スープや汁物などの残った汁
• 洗濯に使う洗剤
• トイレの排水
• 洗い落としたシャンプーやリンス
などをそのまま流してしまったり、使い過ぎてしまう事で排水されてしまうのです。
日本では生活排水を下水道で処理している所が多いですが日本中の全てに下水道があるわけでわないため、全ての排水が浄化されず、処理されずに海へと流れ出てしまうのです。
ただ、生活排水を完全に無くすのって非常に難しいですよね。
もちろん対策できる所はない訳ではないと思うのですが、私個人的にはプラごみを出さないように工夫する所から着手していった方がアプローチとしては良いのかなと思います。
2. 3 工業排水
工場から出る排水や廃棄物には化学物質や有害物質が多く含まれているためそのまま流す事はもちろんいけないです。
過去には「水俣病」や「イタイイタイ病」などが問題になっていましたよね?
現在日本では、工業排水の規制が強化されているために少なくはなってきているのですが、0になっているわけではないのです。
2. 4 船舶からの油の流出
海洋汚染の原因には、船舶やタンカーから漏れる油も含まれるのです。
たまに船舶海難やタンカーの座礁事故などが起こりますが、そのとき大量の油が流出してしまいます。
また、流出した油は海に広がり簡単に回収することができません。
でも実は事故以外の取扱不注意による流出の方が多く、バルブ開閉不確認やタンク不計測などが原因で油が排出されてしまうことがあるのです。
なるべく人為的なミスは防ぎたいですね
3. 海洋汚染が私たち生き物に与える影響とは?
海洋汚染が起きることで、私たちに一体どのような影響があるのでしょうか?
ここからは、海洋汚染が与える私たちへの健康、そして海洋生態系への影響ついてみていきます。
3. 1 人体への健康影響
海洋プラスチックごみによる海洋汚染の影響で、マイクロプラスチックを魚や貝などの海洋生物が誤食してしまいます。
そして、プラスチックを誤飲しまった海洋生物を私たちが食べる事で人体に取り込んでしまい、添加剤を使用しているプラスチックが消化液に含まれる油分に反応し、溶けだした化学物質を溜めてしまうと考えられているのです。
人間は取り込んでしまったプラスチック自体は排泄する事ができるのですが、化学物質は体内に蓄積されしまい、アレルギーや炎症反応、ガンの発生や生殖能力の低下、免疫力低下などの作用を及ぼす可能性が指摘されています。
3. 2 海洋生態系への影響
海洋汚染によって海洋生物がマイクロプラスチックを誤飲してしまうなどの被害がありますが、汚染によりもっとも影響を受けているのが生物多様性の保持を担いるサンゴです。
サンゴ礁は熱帯や亜熱帯の海岸地域に生息していますが、マイクロプラスチックをプランクトンと勘違い食べてしまうのでは無く「好んで」食べてしまうのです。
やがてマイクロプラスチックを取り込んでしまったサンゴは、プラスチックで満腹になってしまい栄養失調に陥って死んでしまうのです。
海の熱帯雨林とも呼ばれているサンゴ礁は海洋生物の食物連鎖を促しており、海洋生物や環境においても多くの役割を担っているため、魚介類を食べる私たちの生活にも深く関わりがあるのです。
4. 海洋汚染が進むと…
今現在も進み続けている海洋汚染ですが
2050年には、海洋プラスチックゴミの量が魚の量を上回るといわれています、とても恐ろしいですよね。
また、これまで魚が産卵などをしていた場所が海洋汚染でできなくなり、魚の減少原因にもなっています。
この状態が続いてしまうと私たちの生活にも影響がでてしまいます。
海洋生物が減少するということは漁業に関係のある人達の仕事が減り生活に支障がでたり、海洋汚染により生態系のバランスが崩れ、これまで獲ってきた魚介類の数が減ってしまいます。
そうなると私たちが普段から食べていた魚介類も徐々に食べれなくなってしまうかもしれません。
ですので、やはり一番の原因であるマイクロプラスチックの原因になるプラスチックの使用はできるだけ控えたいところです
***
5. 身近な私たちができる事
ここまで海洋汚染による原因や被害について見ていきました。
しかし、ただ知るだけでは海洋汚染を防ぐ事ができません。
ですから私たちが今できる事をご紹介します。
5. 1 ゴミはきちんと捨てる、ポイ捨てしない
当たり前と言えば当たり前ですが、海・川・山のレジャーでは出たごみを持ち帰りましょう。
特に海や川でゴミをそのままにしてしまうと、風で飛ばされて流されてしまい水が汚れてしまいます。
きちんとゴミはルールにしたがって適切に出しましょう。
5. 2 プラスチックの消費を減らす
海洋汚染の一番の原因であるプラスチックごみの削減のためには、プラスチック自体の消費量を減らすことが大事になってきます。
ですが全く使わないと言う事は不可能ですよね。
しかし私たちも日常生活の中で
• プラスチック製の皿やコップ、スプーン、フォーク
• ペットボトル
• ストロー
• レジ袋
• ポリ袋
• ラップなど
なるべく上記の使用を減らしたりすることで、プラスチックごみの削減に繋がります。
• プラスチック製の皿、コップ、スプーンなど→金属製の食器を使用する、マイ箸を利用する
• ペットボトル、レジ袋、ポリ袋、ストローなど→マイボトル、マイバッグ、紙ストローなどを使用する
• ラップ→食品の保存はふた付き容器を使い、使用を減らす
などの代用策があります、レジ袋などはお金の節約にも繋がる為、是非マイバッグを使用していきたいところです。
5. 3 エコラベルの商品を購入する
MSCラベル「海のエコラベル」のついた商品を購入すると、持続可能で水産資源と環境に配慮した漁業を支援する事ができます。
MSCラベルはおにぎりや魚介類などに付いていたりますよ!
他には、日常生活での排水に気をつけることやゴミ拾いに参加することも海洋汚染を防ぐ事に繋がります。
私たちの一つ一つの行動が大切になっている今、他の誰かがやってくれていると他人任せに考えず、より意識を持って対策をしていきましょう!
また、過去に執筆した海洋汚染に対する有効な対策をもう少し掘り下げた記事もありますので、そちらも併せて読んで意識を高めましょう。
まとめ
海は私たちにとってなくてはな要らない存在ですが、私たちの行動によって海が汚染されている現状があります。
私たちの地球は海に囲まれ、いつも恵みを受けてきました。
忘れてはいけない事が一つあります。
私たちの暮らしには海や川は無くてはならない存在ですが、海や川にとって我々人間は全くと言っていい程に必要ないのです。
自然の素晴らしさを使わせてもらっているという意識のもとに生きて行くという事が必要なのです。
海をこれ以上汚染させない為にも、この記事を見ていただいている方そして地球にいる全ての人の協力が必要になります!
海洋問題を常に頭に入れながら、一人一人ができる限りの対策を進めていきましょう!
コメント