『プラ製品乱用による環境破壊や海洋汚染について』必要な知識と国の取り組み、私たちのできる対策

plastic products

「プラスチックを使わない世界」

ここ最近になって、焦ったようにそれに向けた動きが活発化してきているように感じます。
実際、世界ではプラスチックの大量消費によって様々な問題が起きています。

そしてその全ては、私たちの生活や健康に巡り巡って関わってくるものです。

地球を蝕んだ分だけ私たちも蝕まれていく…恐ろしいと思いませんか?

ですが、プラスチックってもう我々の生活には無くてはならないものになってしまいましたよね。

果たしてそんな今、プラスチックを使わない方法はあるのでしょうか?

当記事では、今現在の各国の取り組みを取り上げた上で、これから私たちにできることは何なのかをまとめました。

目次

プラ製品が乱用され始めた理由

plastic products

プラスチック製品が普及した背景を知るためには、第二次世界大戦の頃まで遡る必要があります。

第二次世界大戦当時、金属が不足した代わりにプラスチックの需要が高くなりました。

そして大戦終了後、プラスチックの市場は大きく拡大してきました。

というのもプラ製品は軽い上に丈夫であり、金属とは違って生産側が好きな形に成形して大量生産出来るんですよね。

しかも大量生産にかかる費用は金属よりも安価です。

生産者としては、金属よりも安価で好きな形の製品を軽く丈夫に作れる上に、消費者側からすると多種多様な形や色、デザインの製品が安く手に入り、使い捨てることが出来るという便利さから普及しました。

加えてプラ製品は錆びることもないので、素材の特性的に金属製品に勝る点も多いのが、プラ製品の普及をより後押ししました。

今やビニール袋、ストロー、フォークやスプーンのような食器など…


いつしか日常になくてはならないと言っても過言ではいない程に身近な存在となってしまいましたが、そんなプラ製品の問題点についてこれから解説していきます。

私も含めこれを読んでいるほとんどの方は、同じ環境破壊の加害者としてこの問題から目を背けないようにも、最後まで記事を読んでみてください。

1. プラ製品乱用によって起こる環境破壊

ocean pollution

先ほども申し上げた通り、世界では今プラスチックを原因として起こっている3つの問題「プラスチック問題」が大きな課題として立ちはだかっています。

そしてこれら全ては私たちの生活に直結してくるものなんです。

1. 1 地球温暖化

プラスチックが燃やされる時に発生する温室効果ガスが地球の気温を上昇させています。

これにより気候変動が起き、世界は海面上昇や暴風雨の激化、極端な干ばつなどに見舞われています。

また日本においても海面上昇の問題や暴風雨(台風)の活発化は深刻で、これにより東京湾の防波堤のかさ上げが2100年までの長い年月をかけて段階的に行われる計画が発表されています。

1. 2 石油資源の枯渇

プラスチックの原材料である石油の枯渇が、世界的に問題視されています。

今の自動化された機械などは基本的に石油を動力源に動いているので、石油の枯渇=石油価格の上昇は経済に直接的な影響をもたらします。

昨今の異常なまでの円安も例外なく(ウクライナ戦争の影響が大きくはありますが)原油価格の高騰に原因があります。

1. 3 海洋汚染問題

crying turtle

ポイ捨てされたプラスチックゴミなどがそのまま海に排水されることで、海洋生物の生態系に多大なる影響を及ぼしています。

中でも海の流れの中で限界まで分解されたプラスチック「マイクロプラスチック」は、プランクトンと共に魚が食べてしまいます。

それを食べた魚を私たちが食べるということは、私たちの体内にまでポイ捨てされたプラスチックが侵入してきているということなんです。

当サイトには、このプラスチックによる海洋汚染の詳細な記事も掲載されています。

海洋汚染は我々人類への健康被害も深刻化されているので、ぜひそちらも読んでみてください

2. 今現在の国の取り組み

 今、人間がこの問題について何をできているかについてお示しします。

2. 1 日本

ここ最近の日本ではプラスチック新法が施行され、環境省の”彼”も持ち味のオリジナル構文で世間を大変賑わせていましたよね。

ただ先に言いますと、反響の割に日本は依然として一人当たりのプラスチック廃棄量が世界で2番目に多い国なんです。

この順位は10年前と変わっていません…。

日本では2022年にプラスチック循環促進法(プラスチック新法)を施行されました。

中でも、事業者に対しては使い捨て用品(スプーン、フォーク、ストローやレジ袋など)のプラスチックの供給を減らす/有料化を義務付けたことはよく注目されていました。

他にも、市区町村の自治体でもゴミの分別回収に努め、容器等の再商品化(リサイクル)へ取り組むことを求めています。

まだ記憶には新しいでしょうか、スターバックスがプラスチックのストローから紙ストローへ移行したのはかなり話題になりましたよね。

しかし、社会全体の現状としてはペットボトルやテイクアウト容器の削減が未だ進まず、効果は限定的となっているのが実態です…。

レジ袋の有料化により約80%がレジ袋の購入を断るようになり、プラスチック袋の消費量こそ半減したものの…

やはりもともとの使用量の比重としては特にペットボトルが多いでしょうか。

最近はテイクアウト用の紙容器は見かけるようになりましたが、たしかにペットボトルに代替する容器と言うと未だに想像がつきませんよね。

それは逆に言うとペットボトルに代わる非プラスチック製品が生まれれば、環境が大きく好転するということでもあると思います!

もしそんなものが生まれたら今の時代は大企業も体裁上使わざるを得ないでしょうし、経済に与える影響も大きいかもしれませんね!

2. 2 アメリカ

アメリカでは2020年にプラスチック協定を制定し、当初は2025年までの達成を目処に以下の四つの目標を掲げていました。

①2021年までに問題のある包装あるいは不必要な包装をリスト化し、2025年までにそれらを除外する対策をとる

②2025年までにプラスチック包装の再利用、リサイクル化、堆肥化の100%を実現する

③2025年までにプラスチック包装の50%を効果的にリサイクル化あるいは堆肥化するため、意欲的な行動をとる

④2025年までにリサイクル含有率あるいは責任ある方法で調達されたバイオマス含有率を平均30%にする

しかし2024年現在はこれらの多くが達成困難と見なされ、当初とは5年遅まった2030年の達成目標として延期されています。

延期された計画は「ロードマップ2.0」として「これは延期ではなく、進化である。」という文句を添えて発表されました。

とは言っても、実態は美辞麗句で包んだただの延期に過ぎないでしょう…。

それだけ産業の発展、ひいては経済の発展とプラスチック問題の解決の両立は難しいということなんですね。

出典:米国プラスチック協定公式サイトより

U.S. Plastics Pact | Working tog...
U.S. Plastics Pact | Home The U.S. Plastics Pact brings together businesses, nonprofits, government agencies, and research institutions working to ensure plastics never become waste.

2. 3 EU(ヨーロッパ連合)

EUは2019年に「単一使用プラスチック指令」を採択し、ストローやスプーンなどのプラスチック製品の販売を禁止しました。

さらに2022年には、プラスチックの使用を削減するための循環経済行動計画を強化し、リサイクル率の向上やリサイクル材の使用促進を図っています。

EUはプラスチック汚染対策条約を各国と締結し、国際的な問題解決を目指して活動しています。

出典:ジュネーブ環境ネットワークより

https://www.genevaenvironmentnetwork.org/resources/updates/international-cooperation-on-plastic-pollution

3. 国のこれからすべき取り組み

ここ最近になって、各国が様々な手法でプラスチック廃棄に関する問題に取り組み始めたのは確かですが、未だに目覚ましい進歩というのは見えていないのが現状です。

国の発展を最優先にプラスチック加工技術を惜しみなく使い続けていた後始末の必要性を、今になってプラスチックを吐き出しながら打ち上げられた鯨や、廃棄物に絡まったウミガメなどが形となって示してくれたことでやっと向き合い始めたのが今日この頃ということでしょう。

「経済発展と共に環境汚染の風呂敷も広げすぎてしまった」

世界はこの現状に、畳み方を見出せず試行錯誤して正攻法を編み出そうとしている真っ最中にあります。

ですから、はっきりとした方向性もわからない中で法を制定してもあまり強い言い方はできません。

ただ徐々にでもいいですから、やはりまず取り組むべきは法規制の強化でしょう。

「努力義務」ではなく「義務」へ。

これが実現すれば、どうにかペットボトルに代わる技術を生み出そうとする動きも加速するはずです。

私は法遵守の義務化が実現しない限りは、決定的な環境改善は望めないと考えます。

出だしは慎重でも、いつかは尻を叩いてあげなければいけない時は来ます。

その時まで地球が今の状況を保てるとは限りません。

私たちの世代がその先頭に立ち、次の世代にはよりいい地球を遺していってあげたいですね。

4. 私たちのできる対策

plastic bottle

言ってしまえば、国の最小単位は「国民」つまりは、私たち個々人ということになります。

私たち一人ひとりの意識改善が、この地球環境を守ることにつながるということですね。

そんな私たちにできることは何か、いくつか挙げてみたいと思います。

4. 1 再利用可能な持ち運び

今でこそレジ袋の使用量はかなり削減されましたが、1週間の買い物に出かける回数を考えれば、エコバッグを持ち運ぶことが大変効果的であることは間違いありません。

またエコバッグのみならず、水筒を携帯することも再利用可能な持ち運びにあたるでしょう。

「出先でのプラスチック使用を防ぐ」

これを意識してみませんか?

4. 2 プラスチック製品の購入を避ける

BBQやホームパーティなどで購入しがちなカップやカトラリーなどを、プラスチック製のものから木や紙製のものにしましょう。

最近は環境配慮の影響でそもそものプラスチックカトラリーの供給量が減ってきてはいますが、未だに並んでいるところはありますよね。

なるべくその購入を避けることで、企業側にもまたエコフレンドリーな考えが生まれる副次的な可能性も考えられます。

不買運動というほど強い意味合いはありませんが、国民の意識的にプラ製品を買うのは良くないという思想が広がっていけば、消費者からの需要がなくなってプラ製品自体の生産数が下がって行くかもしれません。

4. 3 リサイクルの徹底

家庭内でプラスチック製品を適切に分別し、リサイクルを徹底しましょう。

リサイクル可能なプラスチックをきちんとリサイクルすることで、廃棄物の削減に貢献できます。

ペットボトルはペットボトルでまとめたり、またそのラベルは剥がして分別したり…

ひとつひとつの家庭がそれを意識して、少ない労力で効率的な環境改善を!

4. 4 分別に関する教育

プラスチックごみ問題について家族や友人と情報を共有して意識を高めましょう。

地域での清掃活動や環境保護イベントに参加することで、コミュニティ全体の意識を向上させることができます。

私自身も、一人暮らしでもしない限りはなかなかゴミの分別を自発的に覚えようとは思いませんでしたから、家族単位での話し合いも大変効果的だと思いますね!

5.まとめ

今回はプラスチックが地球に及ぼす影響から、各国の取り組みの現状、これから世界、そして私たちができることについてまとめました。

・プラスチックによる環境汚染で、私たちの健康も侵されつつある

・各国の取り組みは未だ大きな効果は出ていない

・いずれはプラスチック使用について義務づける法規制に向けて動かなければならない

・私たち個々人の使わないという意思が地球を守ることに直接つながる

とにかく国家単位での問題解決が躍進的でない以上、私たち個々人の意識から変えていく必要があることは間違いないでしょう。

次世代に綺麗な地球を遺すための取り組みを、今ここから始めてみませんか?

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