「ブルーアンバー」/ back number-痛みの宝石-

blue-umber-back-number
  • URLをコピーしました!

皆さんこんにちは!

今回はback numberの「ブルーアンバー」の歌詞の一部を抜粋しながら曲に込められた意味を考察していきたいと思います!

この曲は2025年4月28日に配信リリースされ、YouTubeでは公開から約1ヶ月で816万回再生されています。

ドラマ『あなたを奪ったその日から』の主題歌として起用されており、心の痛みに関する痛々しい表現が特徴的な歌です。

ちなみにこのドラマなんですが…愛する娘を食品事故によって失った中越紘海が、復讐のために食品事故を引き起こした会社社長の娘・萌子を誘拐するところから始まるドラマとなっています。

娘を奪った憎き相手の娘であるけれど、亡き娘を投影してしまって葛藤するという何とも苦しい作品です。

一見普通の親子に見えますが、誘拐犯と誘拐された娘という関係なんですね。

ドラマと歌詞のリンクする箇所も歌の中に多々見られますので、早速歌の中身を見ていきましょう。

目次

back number「ブルーアンバー」歌詞

抱きしめられた記憶から
流れ出た赤い雫
人様に見せるものじゃないの

伝えなかった言霊が
もうひとつの私になって
身体の内側で何かを叫んでる

ああ
欲しかったのに
悔しかったのに
駄目だよ全部隠しておくの
ごめんね

悲しいのは一人で充分だからと
これ以上醜くなりたくないのと
私の中で誰にも見付けられずに
こんな色になるまで泣いていたんだね
綺麗よ

渡しそびれた心から
流れ出た青い雫
人様に浴びせるものじゃないの

余すとこなく飲み込んで
遠くの海の底に沈んで
そのまま宝石にでもなれるのを待つわ

本当を嘘で飾って
ごっこみたいな暮らしで慰めて
誰かの悲劇で自分の悲劇を癒して

恋しさに溺れた瞬間のままで
息も出来ずただ 愛してるの
悲しいのは一人で充分だからと
これ以上醜くなりたくないのと
私の中で誰にも見付けられずに
こんな色になるまで泣いていたんだね
綺麗よ

ごめんね

ねぇ綺麗よ

「ブルーアンバー」歌詞考察

抱きしめられた記憶から
流れ出た赤い雫
人様に見せるものじゃないの

伝えなかった言霊が
もうひとつの私になって
身体の内側で何かを叫んでる

心から溢れ出た赤い血のような涙は、人様に見せるものじゃないと奥底にしまってしまう。

弱音とか悩み事って、それが重ければ重いほど人には話せないものですよね。

だから心に蓋をして、見えないようにしてみたりしてしまいます。

けれど、言えなかった言葉も言わなかった言葉も、声に乗せなかったから消え去ったかといえば、そうではありません。

吐き出せなかった言葉達は自分の奥底に溜まり続けていき、それがもう一つの自分として心の中から叫んでくるのです。


悲しいのは一人で充分だからと
これ以上醜くなりたくないのと
私の中で誰にも見付けられずに
こんな色になるまで泣いていたんだね
綺麗よ

血の滲むような葛藤や後悔の数々を、心の中から叫び続けていた内側の自分の声に対して、ずっとそこから目を背けてきた自分。

自分自身を含めた誰にも聞かれずに、心の奥で少しずつ色を変えていく。

自分自身の叫びにようやく目を向けた時には、心の色はすっかり変わっていて、それに対して「綺麗よ」と。

この心の色は一体どんな色でどんな形をしているのでしょうか、それは本人にしかわからないことですが…

なぜ美しい色をしているのか、それはきっと自分自身にしか見えることがない色だからでしょうね。

ブルーアンバーとは琥珀の一種であり、通常は黄色とかオレンジ色に見えるんです。

でも、紫外線を当てると青色に見えるのが特徴です。

紫外線は人には目視できない上、琥珀は構成とは違うので壊れやすいのです。

何やら、普段は明るく見える人は、人には見えないところで苦しみを抱えていて、実は壊れやすいというメッセージがあるように思えてしまいますよね。

自分自身の叫びから散々目を背けて、どうにもならなくなった時にふと目を向けたら、すっかり心は変色してしまっているって何だか痛々しい歌詞ですよね。

渡しそびれた心から
流れ出た青い雫
人様に浴びせるものじゃないの

余すとこなく飲み込んで
遠くの海の底に沈んで
そのまま宝石にでもなれるのを待つわ

人様に浴びせるものじゃないと、1人で流した涙はいつしか青い宝石へと変化していく。

心の中の悲しみの感情によって青く輝く宝石は、美しくも儚いのでしょうね。

涙を人知れず飲み込んでいき、周りの人間を遠ざけるように遠くの海に沈んでは、そのまま宝石になれるのを待つ。

これはきっと心の中の比喩としての表現だったのでしょうけど、自身の悲しみを自分1人に閉じ込めて、遠くの海の底で宝石になるのを待つと聞くと、自死を連想してしまいますね…

本当を嘘で飾って
ごっこみたいな暮らしで慰めて
誰かの悲劇で自分の悲劇を癒して

恋しさに溺れた瞬間のままで
息も出来ずただ 愛してるの

本当を嘘で飾るごっこみたいな暮らしとは、ドラマにある誘拐した娘との日々でしょうね。

本当の親子ではないけれど、そのように振る舞うことで愛娘を失った感情を埋めるようにしているのでしょう。

命を奪うつもりだった憎しみの相手の娘でも、その子を愛しているという痛々しい事実。

自分の娘を奪った復讐のために誘拐したけれど、母であった頃の愛情をこの子に向けてしまったのでしょう。

誘拐した子の名前は「萌子」

彼女を使うことで、失った母としての人生を取り戻そうとしているのでしょうか。

悲しいのは一人で充分だからと
これ以上醜くなりたくないのと
私の中で誰にも見付けられずに
こんな色になるまで泣いていたんだね
綺麗よ

ごめんね
ねぇ綺麗よ

萌子は自分がお腹を痛めて産んだ子ではなく、愛娘を奪った憎き相手の娘。

それでも母としての愛を持ってしまった自分の弱さ、親子としての生活にはいつか終わりが来るという事実。

誰にも言うことができず、自分一人でこの事実を抱えながら、いつ終わりを迎えるか分からない不安定な日々を送る。

復讐相手が居て、相手に同じことが出来るのにそれが出来ない葛藤。

責める相手がこの世に存在するのに、身に降りかかった災難を飲み込んで生きていくことはできないですよね。

琥珀というのは、樹脂が何年もの年月を経て化石化して結晶になるようです。

曲名にもある「ブルーアンバー」とは、自分が心の中で流した涙が何年もの月日を経て結晶化してできた、悲しみをはらんだ痛みの結晶なのでしょう。

果たしてそれが本当に綺麗な色をしているのか、気休めを言っているだけではないのだろうか…

人の痛みというのは、結局本人にしか分からないということですね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次