皆さんは「ダンダダン」見てますか?
漫画誌アプリの「少年ジャンプ+」にて大人気連載中の漫画である「ダンダダン」は、超能力に目覚めた女子高生:モモ〈綾瀬桃〉とオカルトマニアで化け物に取り憑かれた同級生のオカルン:〈高倉健〉が様々な怪奇現象に立ち向かうオカルティックバトル青春漫画です。
今年10月よりアニメの放送が始まり、ますますその人気に火をつけている事でしょう。
この「ダンダダン」に登場する怪異や宇宙人には「元ネタ」がきちんとあるってご存知ですか?
今回はアニメで見ている方に合わせて「ダンダダン」アニメ第1話に登場した「ターボババア」の元ネタについてご紹介します。
「ダンダダン」に登場するターボババアの元ネタは?
ターボババアの元ネタは「ターボばあちゃん」や「ジェットババア」と言われていて、実は日本各地で結構有名な話なんです。
足がめちゃくちゃ速いトンネルに出てくるおばあちゃんの妖怪みたいなイメージはなんとなくありますよね。
各地で呼び方は色々あるようなんですが、能力には差異はありませんでした。
外見は長い白髪に白い目、日本に古くから言い伝えられている妖怪である「山姥(やまんば)」のような見た目をしています。
これはダンダダンも忠実に再現していますよね。
ターボババアの元ネタ:ターボばあちゃんの能力
なんと彼女(?)は時速100キロメートルで走ることが可能なようで、車と並走してドライバーを怖がらせ、最悪の場合事故を引き起こすこともあるそうです。
しかも足が速いだけではないようでして、必要に応じて自身の身体の大きさを変えたり、複数の分身を作り出すことも可能みたいです。
なんとこれだけではなく、他者に憑依して操り人形のように自在に操ったりもしてくると言われています。
足が速いおばあちゃんってだけだと思っていたので、こんなに能力を持っていたとは驚きでした。
思い返せば、オカルンはターボババアに追い抜かされたことで憑依されてしまいましたよね。
ダンダダンならではの能力として、電線や電波を伝って高速移動を可能にしている点も、現代ならではって感じで面白いですよね。
ターボばあちゃんの怪談
日本では1990年代に出回った話なのですが、真夜中の高速道路やトンネルに出現し、走る自動車を追い越すように走り抜けていくという怪異である。
ここで疑問に浮かぶのは「ターボばあちゃんは自動車を追い越すだけの怪異なのか?」という所です。
実はこの老婆に追い越された自動車は必ず事故を起こしてしまい、最悪死亡すると語られています。
しかも厄介なのは「出現条件がほぼない」という点です。
怪異には出現条件や狙われる条件がある場合が多いのですが、実はターボばあちゃんにはありません。
しかも驚かしてくるとかじゃなくて、シンプルに後ろからハイスピードで追い抜いてくるだけなので、気付きにくいし対策も取りづらいですよね。
高速おばあちゃんホールディングス
見出しの内容に入る前に少し余談ですが、ターボばあちゃんの面白い点はそれだけではなく、実は結構いろんな性能のターボばあちゃんが存在するんです笑
ターボエンジンが搭載されているような速度の「ターボばあちゃん」の他に型落ち版としてジェットエンジンのような速さの「ジェットババア」も存在します。
ちなみに北海道の湖周りには「100キロババア」と呼ばれる、その名の通り時速100キロで走る老婆が目撃されているようです。
そんな高速老婆ホールディングスですが、ターボばあちゃんは主に兵庫県の六甲山などが目撃情報が多いようです。
なんと四つん這いで高速移動するらしいです。しかも背中に「ターボ」と書かれた紙が貼られているそうな。
宣伝なんでしょうか…?
他には「1000キロババア」(本当に時速1000キロかは不明)や、またまた北海道に「走るバァさん」という、トンネルにバイクがやってきた時のみ現れて笑いかけながら並走し、トンネルを抜けると消えるという婆さんも存在する。
私が個人的に驚いたのは「ジャンピングババア」と呼ばれる、もはや走らずに4メートル近く飛び跳ねる老婆や、ホッピングを使って飛び回る「ホッピングばあちゃん」なるものも存在します。
なぜ老婆なのか?
高速移動する老婆が大量に存在することはよく分かったのですが、ではなぜ「女性」なのでしょうか?
本当にキリがないのだが、調べたところ男性だと「超音速じいさん」といった怪異も存在するにはするのだが、なぜ老婆が多いのだろうか。
よくよく考えてみると、妖怪や怪異には女性が多く、男性が非常に少ないんですよね。
これは昔の社会的マイノリティが関係しています。
早い話、妖怪や怪異などが怖がられる理由は「非日常的で常識から異質な存在」だからです。
社会の中心が男性だった時代に妖怪を目撃するのは、当然社会で中心的存在だった男性でした。
よって男性にとって異質な存在である「女性」や「子供」などが意識に刷り込まれやすかったと考えられています。
時代背景を考慮するとなんとなく納得が行きますよね。
日本現代怪異事典
朝里 樹
笠間書院
2018年1月17日 発売
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