私はこれまで固有のアーティストにハマったことがありませんでした。
というのも、アーティストが好きで曲を聴くというよりは「この曲はなんか良いな」という曲が沢山あるみたいなイメージだったんです。
だからこれまで特定のアーティストにハマる事は無かったのですが、それは「羊文学」に出会うまでの話でした。
というわけでここからは、今を生きる若者にこそ「羊文学」を聞いてほしいという事で「羊文学」の代表曲と私がオススメする曲を紹介していきます。
もちろん、全てオススメなんですけど!
※なお、この記事は筆者の主観や解釈によって執筆されている為、受け取り方は人それぞれあるかと思います。
「羊文学」とは?
羊文学とは、塩塚モエカ(V.G)・河西ゆりか(B.C)・フクダヒロア(Dr)の3人で構成されている、日本のオルタナティブ・ロック・バンドです。
ちなみに「オルタナティブ・ロック」というのは、新しい方法論を模索するタイプの新感覚音楽という意味合いがあります。
「オルタナティブ」という言葉自体が「型にはまらない」や「既存の概念を打ち壊す」という意味があり、まさに羊文学にピッタリな言葉ですよね。
結成自体は2011年に5人組のコピーバンドとして結成されましたが、メンバーの脱退や加入が何度かあり、2017年ごろに今のメンバーとなりました。
メジャーデビューしたのは2020年で、この時にソニー・ミュージックエンターテインメントの傘下に入ったようです。
メンバーについての話もすごく面白いのでここで紹介したいのですが、長くなってしまうので今回はここまでにさせて頂きます。
では早速、代表曲から見ていきましょう。
【羊文学】の代表曲5選
1 . 羊文学 – 光るとき
羊文学の代表曲といえばまずは「光るとき」です。
こちらは2022年1月12日に配信リリースされ、YouTubeの再生回数は2024年10月現在で1220万回再生されています。
テレビアニメ「平家物語」のOPテーマとして作られたこの曲は、全体的に落ち着いた曲調の中で明るいイメージを持たれる方も多いと思います。
この曲はアニメのストーリーともリンクしており、死生観や輪廻がテーマとなっています。
なので勝手な考察ですが、MVに登場するサビまでのフェリーが「三途の川」や「現世」であり、サビで白い衣装を身に纏う3人がいる場所はあの世なのでは…?なんて思ってます。
最終回のストーリーは初めから決まっていたとしても
羊文学「光るとき」 より
今だけはここにあるよ
君のまま光ってゆけよ
これは「光るとき」のサビの歌詞の引用になります。
この曲は快晴の時に聴くのが個人的にはオススメなのですが、曲を聴くときに最適な季節や気候がなんとなくのイメージとしてあるのが羊文学の特徴です。
この曲のMVはサビで白い衣装を身に纏ったメンバーたちが向かいあって歌っているのが印象的で、個人的には白い服を着ているフクダヒロアさんを見れるレアなMVなのでは?と思っています。
若者に生きる道を記してくれるような歌詞のこの曲は「羊文学」の代表曲と言えるでしょう。
2 . 羊文学 – more than words
この曲から「羊文学」知った方も多いのではないでしょうか?
「more than words」は2023年9月1日にリリースされた曲で「週刊少年ジャンプ」にて2024年9月30日に完結した大人気漫画「呪術廻戦」のアニメ第2期のEDテーマとして制作されました。
ボーカルを務めている塩塚モエカさんの高音が透き通るように綺麗なのも凄いのですが、ベースとコーラスを担当している河西ゆりかさんのハモリはもっと高くて衝撃を受けたのを覚えています。
羊文学って基本的に演奏に余計な音がないというか、純粋に演奏と詩と歌唱力で勝負している感じがすごく好きです。
この曲のMVでは、激しく感情を曝け出している塩塚モエカさんに注目です。
ちなみにこちらはYouTubeにて3675万回も再生されました。
「more than words」も紛れもない羊文学の代表曲と言えるでしょう。
3 . 羊文学 – 1999
「羊文学」といえばこの曲というイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか?
この曲は羊文学がメジャーデビューした年である、2019年の12月4日にリリースされました。
サビを聴けば分かると思いますがこの曲はクリスマスソングとなっています。
「1999」と聴いて連想するのは「コンピューターの2000年問題」「世紀末」「ノストラダムスの大予言」などが思い浮かぶと思います。
賛美歌のようなコーラスがクリスマスを連想させますよね。
それは世紀末のクリスマスイブ
羊文学「1999」 より
誰もが愛したこの街を
知らない神様が変えてしまう
っていう話
サビの歌詞に登場する「知らない神様」とは、恐らく「ノストラダムスの大予言」に登場する恐怖の大王のことを指していると考えられます。
こういった世紀末に色々な憶測が飛び交っており、これから起こる不安などを表しているのでしょうか。
MVがクリスマスチックになっていて、冬の始まりを感じさせてくれる曲になっています。
コーラスの美しさが際立ちすぎて、この曲も大好きな曲の一つです。
ちなみにこの曲はYouTubeにて983万回再生されています。
この曲は「THE FIRST TAKE」でも歌われていたので、聴いた事がある方も多いでしょう。
こちらも羊文学の代表的な曲というイメージがあります。
4 . 羊文学 – マヨイガ
「マヨイガ」は2021年7月7日にリリースされて、2024年10月現在で544万回再生されています。
この曲は女優の芦田愛菜さんが主演を務めるアニメ映画「岬のマヨイガ」という映画の主題歌になっています。
行け 行け その明日が君を苦しめようと
羊文学「マヨイガ」 より
行け 行け 痛み知る優しい人でありなさい
行け 行け その先が闇に思えようと
羊文学「マヨイガ」 より
行け 行け 今ここにあなたを信じる場所がある
羊文学が今を生きる若者にオススメな理由がこの曲にもありまして…
上記はマヨイガの歌詞の引用になるのですが、なんだかとても安心感のあるというか、背中を後押ししてくれるような歌詞を安らかな歌声で歌っているのが羊文学の特徴でもあります。
この曲はYouTubeにて545万回再生されています。
MVでは羊文学の3人が田舎道や自然の中を一緒に散策している様子や、塩塚モエカさんがダッシュしている様子が見られます。
羊文学の宣材写真は3人がカッコよく決めている写真が多かったので、このMVを初めて見た時に3人が楽しそうにしているのを見れてなんだか安心した記憶があります(笑)
5 . 羊文学 – あいまいでいいよ
こちらの曲は羊文学の曲の中でも聴いたことがある人は多いのではないでしょうか?
「あいまいでいいよ」は2020年12月に発表したメジャーデビュー以降初のアルバム「POWERS」に収録され、音楽メディアの間でも高い評価を獲得しました。
2022年4月15日には「THE FIRST TAKE」にてこの曲を披露し、2024年10月現在までに351万回再生されています。
そしてこの曲はドラマ「湯あがりスケッチ」の主題歌にもなりました。
この曲は若者のラブソングで、春にピッタリな曲だと3人もコメントを残しています。
確かにMVでもカップルたちがそれぞれ物思いに耽っている様子などが描かれていました。
お互いの心境も知らないしそれぞれに想いはあるけど、本音をぶつけ合うのは後回しで今は曖昧にしておこう。
という若者らしさが溢れる一曲です。
「THE FIRST TAKE」から羊文学を知ったという方達は、こちらの曲も聞いた事があるかもしれません。
若者に向けた恋愛ソングということで、こちらも羊文学の代表曲と言えるでしょう。
【羊文学】筆者オススメの曲5選
さて、ここまでは「羊文学」の代表曲を紹介してみました。
ここからは筆者である私がオススメする曲を4つピックアップしてご紹介します。
私が好きな理由やどういう時に聴いているかなども合わせてお話ししますので、参考までに読んでいってください。
1 . 羊文学 – 金色
羊文学 – 金色
こちらの曲は昨年開催された「Fuji Rock Festival 2023」にて披露されました。
こちらの曲は羊文学のメジャー2ndアルバムである「our hope」に収録されており、このアルバムには先ほど紹介した「マヨイガ」「光るとき」などを含めた12曲が収録されています。
私は羊文学の曲の中でもこの「金色」がトップクラスに好きなんです。
羊文学の他の曲はテーマが壮大だったりするんですけど、この曲は日常の中で感じるモヤモヤを言語化したような曲です。
満足してるよ 人生の大体の部分では
羊文学「金色」より
でも少し、あと少しの安心が欲しい
窓際で眠る猫みたいに
陽だまりに溶けていく毎日が欲しい
この曲のサビになるのですが、これって日常でふと感じるような感覚を凄く上手に歌詞に落とし込んでいると思いませんか?
「窓際で眠る猫みたいに陽だまりに溶けていく毎日が欲しい」
自分の人生に特に不満はないし、過去の選択にも後悔はありません。
人間関係にも置かれた現状も幸せなはずなのに、何かがほんの少しだけ足りていないような感覚。
今の人生には概ね文句ないけど、ちょっと何かが足りない。
それはきっと窓際でぬくぬくと眠る猫のような、心の安らぎなのかもしれません。
2 . 羊文学 – ハイウェイ
こちらの曲はトヨタのプロジェクトである「feat.CARS」の第二弾としてMVが製作されました。
「ハイウェイ」はとことん逃げた先に再び自分と向き合っていくというメッセージを込めて作ったそうで、歌詞の節々にこのメッセージが散りばめられています。
逃げんのはそう簡単で 傷つかないだろう
羊文学「ハイウェイ」
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逃げてもそう結局は 傷つくもんだな
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僕は正直じゃなくて ほんとは怖いんだこわいんだ
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逃げんのはもうやめにしよう 傷つくばっかだ
こちらは「ハイウェイ」の歌詞の引用になります。
傷つくことを恐れてハイウェイへと乗ってどこまでも自分から逃げていくが、逃げても傷つくと気付く。
最後には自分と向き合っていくという羊文学の込めた想いがよく反映された歌詞ですね。
個人的には「涙はスピードのせいにしてよ」という歌詞が凄く好きです。
私は今社会人なのですが、最初の頃は生きるという事や自分らしくいれない事に対してストレスを感じてしまい、どうしても現状から逃げ出したくなる時がありました。
涙が出そうになり、どうしようもなく深夜に自転車を走らせて知らない土地まで行った事もありました。
考え込むと、どれだけ堪えていてもやっぱり涙は出てしまうものです。
そんな時「涙はスピードが出ていて目が乾燥しているからだ」と自分に言い聞かせていました。
でも、問題や悩み事はその事柄から逃げても解決はしていきません。
逃げれば逃げるほど、再びそこに戻るのが怖くなってしまうだけなんです。
ならばやるべき事はただ一つ、自分自身と向き合って真剣に考えてあげる事ですよね。
私事ながらに、この曲の歌詞と当時の私の気持ちがシンクロしている気がしたので、勝手ながらに好きな一曲です。
3 . 羊文学 – ロマンス
こちらの曲は2019年6月25日にリリースされ、この当時の羊文学の曲としては珍しい「ポップな印象」を受ける曲でした。
この当時のバンドの様子に対して、塩塚さんは2019年7月に受けた「OTOTOY」のインタビューにて「バンドが変わったというよりは、私たちの中にもともとあったポップな部分を、我慢せずに出してみたという感じ」と話しています。
この曲は女の子を肯定するようなイメージを持たれる方も多いと思いますが、塩塚モエカさんの書く歌詞は自身の日記のような所があるそうなんです。
だからこの「ロマンス」にて登場する「女の子はいつだって無敵だよ」と歌っている部分も、誰かを励ましたくて書いているというよりも自分がそう思いたくて書いているみたいです。
私はゴリゴリの男の子なのでなんともこの曲に激しく共感できるかと言われると、なんとなく頭を抱えてしまう部分はありますが…
同インタビューにて塩塚さんは「男の子でも女の子でもよくて、性別よりも自分が自分らしく等身大でいること、自分自身を認めたりすることにテーマを置きたかった。」とも発言しています。
私はこの曲に込めた塩塚さんのこの想いに凄く共感できる部分があったので、この曲を聴いて「自分らしく等身大でいること」とは何かを再認識しました。
なのでこちらもオススメな曲の一つです。
羊文学 – ミルク
こちらの曲は2019年7月2日にリリースされました。
この曲は20歳の頃に作曲していたようで、若者のなんとも言えないエモい恋の歌となっています。
「覆水盆に返らず」ということわざをアメリカでは「こぼれたミルクを嘆いてもしょうがない」と表現すると知って、それを思い出しながら書いたそうです。
コードも少なくて歌詞も繰り返しているうえにメロディーがシンプルで、曲は割と長めなのが特徴的ですよね。
この曲は恋の終わりを表したような曲ですよね。
個人的にこの曲の凄いところをど素人から話させてもらうと、メロディーに対して塩塚さんの歌声が不協和音のように、不安定とか不穏なイメージを持たせるような音程で歌っているように感じました。
これ一般の方が、例えばカラオケとかで半端に歌おうとして入れたら事故が起きるような音程ですよね。
それでも聴いていて心地よくて、歌詞を見なくてもしっかりと耳に入ってくる。
そんなこの曲も大好きな曲の一つです。
まとめ
羊文学の代表曲
・光るとき
・more than words
・1999
・マヨイガ
・あいまいでいいよ
羊文学の曲は何かと親近感や共感できる部分が潜んでいるのが面白いところですが、まさか塩塚さんが自身の日記のように歌詞を書いていたとは驚きでした。
羊文学の曲は基本的に演奏がシンプルでメロディーもそこまで数が多くないのが特徴ですが、その中でも曲に込めた想いから演奏の仕方や歌い方すらも意識しているというのは、技術あってこそですよね。
これからも沢山の曲を世に出していくと思われる羊文学ですが、今後の活躍からも目が離せないですよね。
また、5月ごろからコンディション調整のためにドラムを担当している「フクダヒロア」さんが活動を休止しています。
フクダさんの音が大きくて力強く、シンプルかつ正確なドラムが凄く大好きで、羊文学の曲にとってなくてはならない存在だと思います。
様々な媒体のテーマ曲などを手掛ける中で、多忙な日々と大変な苦労があるとは思いますが、しっかりと休んでまた彼のドラムが鳴らす羊文学を聴きたいものです。
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