みなさんこんにちは。
今回は”神はサイコロを振らない”の新曲『Smoke』の歌詞を紹介、考察していきたいと思います。
今回の新曲も、失恋の切なさ、虚しさを繊細な言葉選びで描いていく”神サイスタイル”を忠実に貫いた一曲になっています。
新曲『Smoke』は一体どのような失恋を描いた曲になっているのでしょうか?
1.神はサイコロを振らない『Smoke』歌詞
安い酒と煙草が痛み止めになる様な
深い丑三つ時に
白木綿雲ふかして
朝に蓋していたいだけ
I wanna kiss you, my baby
触れれば
今だけこうしていたいそれでいい?
混じり合って身勝手に愛して
物思いに耽るだけさ
二人、未熟さ故に
淡い夢幻で、甘いほろ苦い嘘で
蕩け合って満たして
また虚しさに抱かれて
I wanna kiss you, my baby
触れれば
今だけこうしていたいそれでいい?
混じり合って身勝手に愛して
物思いに耽るだけさ
繋がっていたいのに
Uh 次第に灰に
I wanna kiss you, my baby
触れれば
今だけこうしていたい
それでいい?
混じり合って身勝手に愛して
物思いに耽るだけ
君に会って叱ってくれたなら
包まれたみたく楽になる
濁りきったガラス窓に
映り込んだ君が薄れてゆく
まだ眠れないまま
2.神はサイコロを振らない『Smoke』歌詞考察
2-1.傷心した深夜の一服
安い酒と煙草が痛み止めになる様な
深い丑三つ時に
白木綿雲ふかして
朝に蓋していたいだけ
失恋に深く傷ついた登場人物がその悲しみから目を逸らすように、煙草の煙をふかすところから始まっています。
深夜3時、白い煙草の煙でこれから出てくる朝日に蓋をしていたいという表現からは、このまま夜の静けさの中で物思いに耽っていたいという気持ちが表れています。
2-2.身体の関係では満たされない
I wanna kiss you, my baby
触れれば
今だけこうしていたいそれでいい?
混じり合って身勝手に愛して
物思いに耽るだけさ
二人、未熟さ故に
淡い夢幻で、甘いほろ苦い嘘で
蕩け合って満たして
また虚しさに抱かれて
傷心しきった登場人物は、身体の関係を結ぶことで心を満たそうと試みています。
しかし、その瞬間だけのコミュニケーションでは満たされることがないのは分かりきっているようです。
自分の勝手な都合で身体だけの関係を結んでも、根本の寂しさの解決にはなりません。
余計に過去を思い返し、物思いに耽ってしまうのです。
それでもそんな愚行に走ってしまう自分たちを「未熟」と表現していて、そんな言葉に逃げながら2人はそれぞれの悲しさを誤魔化しているように思えます。
2-3.虚しさを前に崩れていく関係
繋がっていたいのに
Uh 次第に灰に
肉体だけの繋がりだけでは満たされるどころか、満たされない部分に余計に目がいってしまいます。
それはこれまでの歌詞を見ても明らかで、散々「虚しさ」だったり「未熟さ」を感じてきたわけです。
そんな負の産物を前に、2人の不純で脆い関係は煙草の灰のようにボロボロと崩れていきます。
2-4.虚しさの正体
君に会って叱ってくれたなら
包まれたみたく楽になる
濁りきったガラス窓に
映り込んだ君が薄れてゆく
まだ眠れないまま
おそらくこの「君」は主人公の元恋人なのでしょう。
「君」がいなくなった穴を埋めるために他の異性との身体の関係を結んだとしても、「君」がいなくなった代償を賄うことは勿論できません。
そんなことに薄々気づきながらも辞められずに腐っていく自分を「君」が叱ってくれたら、どれだけ楽になれるだろう…。
しかし、その願いも虚しく、主人公は独り煙を吐き出す部屋の窓の反射に、かつての「君」の幻想を見るだけでした。
3.まとめ
結局、失恋した傷はその人でしか癒すことはできないわけで、他人との身体の関係に走ったとしても残るのは虚しさだけだったということですね。
その虚しさをどうしようというわけでもなく、ただ忠実に書き留めておいたような歌詞が、深夜の物思いに耽る人たちの求めるものとしてハマっているような感じがしました。