みなさんこんにちは!
ONE OK ROCKが約2年半ぶりにリリースしたニューアルバム『DETOX』はもう聴きましたか?
このアルバムの中に収録されている『Delusion:All』は実写映画『キングダム 大将軍の帰還』の主題歌にもなりました。
映画の物語に絡め、政治的な色も出ているこの曲。
今回はそんな『Delusion:All』の歌詞を簡単に考察していきたいと思います!
ぜひ最後までお付き合いください。
1.『Delusion:All』歌詞(和訳付き)
They’ll conquer us if we divide
(俺たちが分裂すれば、奴らは俺たちを征服する)
No one will listen to you
(誰もお前の声なんて聞かない)
We gotta stand up and draw a line
(俺たちは立ち上がり、一線を引かなきゃならない)
It’s time to fall back or shoot
(退くか、撃つかの時だ)
Why does it feel
(なぜこんな気がするんだ)
Like they don’t feel anything
(まるで奴らは何も感じていないように)
I pray there’s a future behind those walls
(あの壁の向こうに未来があることを願う)
But maybe I’m delusional
(でも、俺は幻想を見ているのかもしれない)
Let’s make a deal
(取引しよう)
Pretend this bastard democracy
(この腐った民主主義を)
Is just how we want it And we’re not exhausted
(俺たちが望んだものだと装って、疲れ果てていないフリをする)
But maybe we’re delusional
(でも、俺たちは幻想を見ているのかもしれない)
We’re all de-fucking-lusional
(俺たちは皆、クソほど幻想を見ている)
When everything’s supposed to
(すべてが「理由があって起こること」とされていて)
Happen for a reason
(何事にも意味があるとされていて)
And every talking head
(そして、あらゆる御用評論家が)
Expects ya to believe them
(お前にそれを信じさせようとしてくる)
But we don’t need them
(でも、俺たちには奴らなんて必要ない)
We are the kingdom
(俺たちこそが王国だ)
We know the amount that
(俺たちは知っている)
we have shared was never even
(分け与えられてきたものが、公平になったことなんて一度もないと)
Why does it feel
(なぜこんな気がするんだ)
Like they don’t feel anything
(まるで奴らは何も感じていないように)
I pray there’s a future behind those walls
(あの壁の向こうに未来があることを願う)
But maybe I’m delusional
(でも、俺は幻想を見ているのかもしれない)
Let’s make a deal
(取引しよう)
Pretend this bastard democracy
(この腐った民主主義を)
Is just how we want it
(俺たちが望んだものだと装って)
And we’re not exhausted
(疲れ果てていないフリをする)
I know
(俺は分かってる)
In order to be free you gotta let go
(自由になるには、すべてを手放さなきゃならない)
But know that once you do
(でも、覚えておけ)
That’s when they take hold
(その瞬間、奴らは支配しようとする)
Everything’s fair in love and war so
(恋愛も戦争も、すべては正当化される)
Why does it feel
(なぜこんな気がするんだ)
Like they don’t feel anything
(まるで奴らは何も感じていないように)
I pray there’s a future behind those walls
(あの壁の向こうに未来があることを願う)
But maybe I’m delusional
(でも、俺は幻想を見ているのかもしれない)
Let’s make a deal
(取引しよう)
Pretend this bastard democracy
(この腐った民主主義を)
Is just how we want it
(俺たちが望んだものだと装って)
And we’re not exhausted
(疲れ果てていないフリをする)
2.『Delusion:All』歌詞考察
歌詞で登場する「民主主義」や「御用評論家」などからも分かるように、ポリティカルなトピックを扱った歌詞になっていますね。
ここからは歌詞を一節ずつ考察していきます。
2-1.身内で争っている場合ではない
They’ll conquer us if we divide
(俺たちが分裂すれば、奴らは俺たちを征服する)
No one will listen to you
(誰もお前の声なんて聞かない)
We gotta stand up and draw a line
(俺たちは立ち上がり、一線を引かなきゃならない)
It’s time to fall back or shoot
(退くか、撃つかの時だ)
この節では、分断されることの危険性が強調されています。
「分裂すれば征服される」というフレーズは、征服のために権力者が分裂を促していて、それに乗れば相手の思う壺だという警告でしょうか。
また、「誰もお前の声なんて聞かない」という一節は、個人の声が軽視される社会の現実を表しているのではないでしょうか。
そのため、「立ち上がり、一線を引かなきゃならない」と続いており、現状に抗うべきだというメッセージが込められているように感じます。
最後の「退くか、撃つか」では、すでに後戻りできない状況であることを示し、決断を迫られている様子が描かれています。
2-2.国民を蔑ろにする権力者たち
Why does it feel
(なぜこんな気がするんだ)
Like they don’t feel anything
(まるで奴らは何も感じていないように)
I pray there’s a future behind those walls
(あの壁の向こうに未来があることを願う)
But maybe I’m delusional
(でも、俺は幻想を見ているのかもしれない)
この節では、社会や権力者に対する疑念と絶望感が表現されているように思えます。
「まるで奴らは何も感じていないように」というフレーズからは、支配者層が民衆の声を無視し、無関心であることへのいらだちや疑念が読み取れます。
そして、「あの壁の向こうに未来があることを願う」という言葉には、現状のいたたまれなさ、閉塞感から抜け出し、より良い未来を求める切実な願いが込められているのではないでしょうか。
しかし、その希望さえも「幻想」かもしれないと自嘲するように結ばれており、希望と絶望の間で揺れ動く心情が表現されているように感じます。
2-3.国民よ、現実から目を背けるな
Let’s make a deal
(取引しよう)
Pretend this bastard democracy
(この腐った民主主義を)
Is just how we want it And we’re not exhausted
(俺たちが望んだものだと装って、疲れ果てていないフリをする)
But maybe we’re delusional
(でも、俺たちは幻想を見ているのかもしれない)
We’re all de-fucking-lusional
(俺たちは皆、クソほど幻想を見ている)
この部分は、民主主義に対する皮肉や国民のそれとの向き合い方に対する反論が強く表れている節になっています。
「取引しよう」というフレーズは、民主主義らしい「取引」という手段を全面に出しつつ、現状を変えるために妥協や取引が必要だという考え方を示していますね。
不満しかない現状の民主主義が国民の総意から逃げられないように、あえて「取引」という民主主義的な手段を選んでいるのかも知れません。
しかし、「この腐った民主主義」という言葉からは、現在の社会システムが本来の理想とはかけ離れてしまっていることへの強い不満が感じられます。
「俺たちが望んだものだと装って、疲れ果てていないフリをする」というフレーズは、多くの人々が現状に妥協し、本当は疲れ切っているにもかかわらず、それを認めないでいる状況を指しているのではないでしょうか。
そして、「でも、俺たちは幻想を見ているのかもしれない」と続くことで、現実を直視せず、都合の良い幻想に逃げ込んでいる可能性を示唆しているように思えます。
「俺たちは皆、クソほど幻想を見ている」という強烈な表現は、その皮肉と怒りをより強調しているように感じます。
2-4.プロパガンダに惑わされるな
When everything’s supposed to
(すべてが「理由があって起こること」とされていて)
Happen for a reason
(何事にも意味があるとされていて)
And every talking head
(そして、あらゆる御用評論家が)
Expects ya to believe them
(お前にそれを信じさせようとしてくる)
But we don’t need them
(でも、俺たちには奴らなんて必要ない)
We are the kingdom
(俺たちこそが王国だ)
We know the amount that
(俺たちは知っている)
we have shared was never even
(分け与えられてきたものが、公平になったことなんて一度もないと)
この節では、「すべての出来事には意味がある」とする社会の通説に対する疑問が投げかけられています。
「御用評論家がそれを信じさせようとしてくる」という表現は、権力側に都合の良い情報を発信するメディアや識者たちへの批判のように思えます。
しかし、「俺たちには奴らなんて必要ない」と続くことで、その欺瞞に惑わされずに、自分たち自身で未来を切り開いていくべきだという意志が感じられます。
「俺たちこそが王国だ」というフレーズは、支配者ではなく民衆こそが社会を動かす存在しているのだという主張です。
そして、「分け与えられてきたものが、公平になったことなんて一度もない」と続くことで、経済的・社会的な不平等が常に存在してきた現実を指摘しているのではないでしょうか。
この節全体を通して、社会の欺瞞を見抜き、それに対抗しようとする姿勢が表れているように感じます。
2-5.絶えず存在する権力と存在しない自由
I know
(俺は分かってる)
In order to be free you gotta let go
(自由になるには、すべてを手放さなきゃならない)
But know that once you do
(でも、覚えておけ)
That’s when they take hold
(その瞬間、奴らは支配しようとする)
Everything’s fair in love and war so
(恋愛も戦争も、すべては正当化される)
「自由になるには、すべてを手放さなきゃならない」というフレーズは、何かを得るためには犠牲が必要であるという厳しい現実を示唆しているのではないでしょうか?
しかし、「その瞬間、奴らは支配しようとする」と続くことで、自由を求めて行動を起こしても、結局は別の権力に支配される可能性があることを警告しています。
最後の「恋愛も戦争も、すべては正当化される」というフレーズは、どんな行動でも状況次第で正当化されてしまうことを皮肉っているように思えます。
この節全体では、自由を求めることの難しさと、権力の構造に対する深い不信感が主に描かれていますね。
3.まとめ
私的には、ONE OK ROCKの『Delusion:All』は、社会の不公平や権力構造に対する強い不満を表現した楽曲であるように思えました。
特に、民主主義というシステムに対する皮肉や、人々が幻想に囚われていることへの指摘が繰り返されることで、現代社会、特に政治的側面への強い反抗的なメッセージを持っていると感じます。
ただその一方で、自由を求めることの難しさや、支配からの解放が容易ではないこともまた描かれていました。
したがって、単なる反抗的な歌には留まらず、現実を冷静に見つめた上での葛藤が込められている歌詞にもなっていたと思います。
一見すると強烈な表現が多いですが、実際には私たちが日々直面している社会の矛盾を浮き彫りにする内容となっており、聴き手を怒りをもとに煽動するのではなく、冷静に考えさせる力を持っているようにも思えました。
みなさんはどう感じましたか?