みなさんこんにちは!
今回はONE OK ROCK『Take What You Want』の歌詞を和訳、考察していきたいと思います。
もう7年前と随分前になりますが、ホンダのCMでも採用されたこの楽曲。
この曲でワンオクを知った方も少なからずいるのではないでしょうか?
「持って行きたいもん持って出て行けよ」というタイトルを冠するこの曲の歌詞は、いったい何を描いているのでしょうか?
1. 『Take What You Want』歌詞和訳
Take what you want
Take what you want and go
(欲しいものを持っていけ)
(欲しいものを持って行って、行けばいい)
過ぎ去った嵐のあとの静けさに
たたずんだ となりに君はもういない
I don’t want anything in our broken home
(壊れてしまったこの家に 何もいらない)
Not the memories or the things we own
(思い出も 共有していたものもいらない)
Not the picture of us on the wall
(壁にかかった2人の写真さえもいらない)
So take what you want
(だから、欲しいものを持っていけばいい)
Can you hear me?
(僕の声が聞こえるか?)
I’m trying to hear you
(君の声を聞こうとしているのに)
Silence strikes like a hurricane
(沈黙がハリケーンのように襲いかかる)
Now I’m singing for you
(今、僕は君のために歌っている)
You’re screaming at me
(君は僕に向かって叫んでいる)
It’s hard to see your tears in the pouring rain
(激しく降る雨の中じゃ 君の涙がよく見えない)
Take what you want
Take what you want and go
(欲しいものを持っていけ)
(欲しいものを持って行って、行けばいい)
Just go now just go, go, go
(もう行けよ、さあ行け、行け、行け)
Still remember a time when you felt like home
(君がここを帰る場所だと感じていた頃を まだ覚えている)
You and me up against the great unknown
(2人でまだ見ぬ世界に立ち向かっていた)
You were my life, now you’re out of my life
(君は僕の人生そのものだった でも今は違う)
Yeah I guess that’s life
(これが人生ってやつなんだろうな)
Can you hear me?
(僕の声が聞こえるか?)
I’m trying to hear you
(君の声を聞こうとしているのに)
Silence strikes like a hurricane
(沈黙がハリケーンのように襲いかかる)
I’m singing for you
(僕は君のために歌っている)
You’re screaming at me
(君は僕に向かって叫んでいる)
It’s hard to see your tears in the pouring rain
(激しく降る雨の中じゃ 君の涙がよく見えない)
Take it
(持っていけ)
No reason for me to hold on
(僕がしがみつく理由なんてない)
Look in my eyes I’m letting go
(僕の目を見ればわかるだろう 手放すよ)
Keep it
(持っていけよ)
Don’t need it, don’t need it, don’t need it!
(もういらない、いらない、いらない!)
Take what you want,
take what you want and go
(欲しいものを持っていけ)
(欲しいものを持って行って、行けばいい)
Can you hear me?
(僕の声が聞こえるか?)
I’m trying to hear you
(君の声を聞こうとしているのに)
Silence strikes like a hurricane
(沈黙がハリケーンのように襲いかかる)
Now I’m singing for you
(今、僕は君のために歌っている)
You’re screaming at me
(君は僕に向かって叫んでいる)
It’s hard to see your tears in the pouring rain
(激しく降る雨の中じゃ 君の涙がよく見えない)
Take what you want,
take what you want and go
(欲しいものを持っていけ)
(欲しいものを持って行って、行けばいい)
Can you hear me?
(僕の声が聞こえるか?)
2.『Take What You Want』歌詞考察
2-1.決別を受け入れる
Take what you want
Take what you want and go
(欲しいものを持っていけ)
(欲しいものを持って行って、行けばいい)
「Take what you want(欲しいものを持っていけ)」という言葉が繰り返されることで、冒頭から関係の終わりが全面に表されています。
ここでの「欲しいもの」とは、物理的な持ち物だけでなく、思い出や関係そのものを指しているようにも感じられます。
別れを受け入れ、相手が去るのをを止めることなく、すべてを託そうとする姿勢が伝わってきます。
2-2.激しい言い合いの末に迎えた別れ
過ぎ去った嵐のあとの静けさに
たたずんだ となりに君はもういない
嵐が過ぎ去った後の静けさという比喩が、いかに激しい争いをしたのか、そしてその末にあっさりと関係が終わったあとの虚無感を表しています。
「となりに君はもういない」という一文が、別れの現実を突きつけるように無情にも響いています。
嵐のような激しい感情のぶつかり合いが終わり、ただ静けさだけが残っている状態…
何もかもを失ったような喪失感が、文字面だけでも伝わってきます。
2-3.すっかり空になった「2人のコミュニティ」
I don’t want anything in our broken home
(壊れてしまったこの家に 何もいらない)
Not the memories or the things we own
(思い出も 共有していたものもいらない)
Not the picture of us on the wall
(壁にかかった2人の写真さえもいらない)
So take what you want
(だから、欲しいものを持っていけばいい)
「broken home(壊れた家)」という表現が、かつての友情や関係が完全に崩れてしまったことを示しています。
ここでいう「家」というのは、恐らく2人が共に積み上げてきた時間や想い出、それら全ての比喩でしょう。
「2人の繋がりそのもの」と捉えてもいいかもしれません。
その「誰もいなくなった家」に残された思い出や共有していたものさえも必要ないと言い切ることで、相手への未練を断ち切ろうとする強い意志が感じられます。
「Take what you want」と繰り返すこの部分ですが、相手を引き留める意思がないことを強調するフレーズに見えますが、私個人的には相手には何かを持って行ってほしいという矛盾した感情も読み取れるかなと思いました。
2-4.本当はちゃんと話し合いたかった
Can you hear me?
(僕の声が聞こえるか?)
I’m trying to hear you
(君の声を聞こうとしているのに)
Silence strikes like a hurricane
(沈黙がハリケーンのように襲いかかる)
Now I’m singing for you
(今、僕は君のために歌っている)
You’re screaming at me
(君は僕に向かって叫んでいる)
It’s hard to see your tears in the pouring rain
(激しく降る雨の中じゃ 君の涙がよく見えない)
沈黙と嵐が対比されているのが印象的です。
主人公は相手の声を聞こうとしていますが、相手は叫んでいるだけで、互いの気持ちはもう通じ合わなくなっています。
「pouring rain(激しく降る雨)」の中では、涙さえも見えなくなるという描写は、冷静な話し合いならば分かり合えるような感情も、ただ叫ばれるだけでは何が本当で嘘なのか、見分けがつかないという意味ではないでしょうか?
感情に身を任せて叫ぶのは話し合いとは程遠く、問題の解決には繋がりません。
感情に任せて叫ぶ側は相手の話を聞ける状態には勿論ない上に、伝えたいことはまとまらずに伝わらず、ぶちまけるだけぶちまけて終わりなのです。
主人公はそんな愚かな争いではなく、ちゃんとした「話し合い」をしたかったのでしょう。
2-5.何を言っても無駄だったという諦め
Take what you want
Take what you want and go
(欲しいものを持っていけ)
(欲しいものを持って行って、行けばいい)
Just go now just go, go, go
(もう行けよ、さあ行け、行け、行け)
ここでは「行け」と繰り返し強く促しており、未練を断ち切ろうとする決意がより明確になっています。
最初は「欲しいものを持っていけ」と穏やかに言っていたのに対し、ここでは「Just go now(もう行けよ)」と、突き放すような表現になっています。
一つ前で紹介したサビの一節でもわかる通り、相手の精神状態的に2人は分かり合える状況には最初からありませんでした。
それを踏まえた上で、「別れは避けられなかった」という結論に至り、無理矢理にでも腑に落とし込めたのではないでしょうか?
2-6.信頼しきっていた二人の今
Still remember a time when you felt like home
(君が「帰る場所」だと感じていた頃を まだ覚えている)
You and me up against the great unknown
(2人でまだ見ぬ世界に立ち向かっていた)
You were my life, now you’re out of my life
(君は僕の人生そのものだった でも今はもう僕の人生からいなくなった)
Yeah I guess that’s life
(これが人生ってやつなんだろうな)
かつての関係がどれほど大切なものだったのかが語られています。
「君にとって僕は帰る場所だった」「2人で未知の世界に挑んでいた」というフレーズからは、2人が隣り合わせに、同じ景色を見て歩いていた日々が浮かび上がります。
しかし、「今はもう僕の人生からいなくなった」と現実に一気に引き戻され、「I guess that’s life(これが人生なんだろう)」という諦めにも似た言葉で、別れの不可避さを再び表しています。
2-7.去るものを追わず
Take it
(持っていけ)
No reason for me to hold on
(僕がしがみつく理由なんてない)
Look in my eyes I’m letting go
(僕の目を見ればわかるだろう 手放すよ)
Keep it
(持っていけよ)
Don’t need it, don’t need it, don’t need it!
(もういらない、いらない、いらない!)
Take what you want,
take what you want and go
(欲しいものを持っていけ)
(欲しいものを持って行って、行けばいい)
「もうしがみつく理由はない」と言い切ることで、こちら側からも完全に関係を終わらせようとしています。
「Look in my eyes(僕の目を見ればわかるだろう)」という言葉には、これが本心であることを伝えようとする強い意志が感じられます。
そして「Don’t need it!(もういらない!)」と繰り返すことで、無理矢理にでも断ち切るために必死になっている様子が浮かび上がります。
3.まとめ
『Take What You Want』は、長らく人生を共にしてきた友人との決別を描くことを通じて「失った物や人への執着を捨てる」ことを描いた曲だと思っています。
去るものを追わず、自分の人生に再びフォーカスしようとするTakaの無頓着でいようとする姿勢が全面に現れた曲だと思います。
何か失ったものを思い返して文字通り後ろ向きな気持ちになっている時には、この曲で執着ごと手放してしまうのがいいかもしれません!