2025/5/28、Mrs. GREEN APPLEのボーカルでもある大森元貴さんが、4年ぶりとなるソロ曲をリリースしました。
今回リリースされたのは『絵画』と『こたえあわせ』の2曲。
当記事では『天才てれびくん』のテーマソングにもなっている『こたえあわせ』の歌詞について考察していきたいと思います。
『絵画』の歌詞を考察した記事も掲載済みですので、よろしければ併せてご覧ください!
1.大森元貴『こたえあわせ』歌詞
難しいことはわからないけど
笑い合えれば全部成功
なんだかんだ涙も知る
今日もどうも本当にありがとうなの
オレンジ色に染まる近所も
空気が薄い早い朝も
傷ついたあの帰り道
石ころ蹴飛ばした
だからね、ごめんね
ほんとは、すぐにね
謝りたかったんだ
ゆるして
それじゃあね、明日ね
手を振って分かれ道へ
見えなくなるまでバイバイ
今日あった事を話したいけど
全部ゆったら勿体無い
春風香る冒険
眠りに落ちる瞬間ってわからない
オレンジ色とさびしい気持ち
失敗した次の成功
友達とした約束
忘れてないのは僕だけ?
褒めてね。伸ばしてね。
せめて抱きしめてね。
僕は頑張ったんだ
今日はね。
どこまで行けるかはわからないけどね
見ててね。見ててね。
大丈夫 やれるから。
宇宙の誕生
ママの、パパの愛情
上手くいかないな
はじめての感情
大人になっても
変わらないで居よう
離さないで居よう
忘れないで居よう
天に才と書こう
今日は早く寝よう
2.大森元貴『こたえあわせ』歌詞考察
2-1.終わりよければすべてよし
難しいことはわからないけど
笑い合えれば全部成功
なんだかんだ涙も知る
今日もどうも本当にありがとうなの
難しいこと、つまり「理屈」よりも、笑い合えるような喜びや楽しさ、つまり「感情」を重視していることがうかがえる冒頭です。
そんな日常の中ではもちろん涙を流すような哀しみにぶつかることもありますが、それらも含めて「ありがとう」と伝えられる主人公の懐の深さが読み取れます。
2-2.少年の日の些細な思い出
オレンジ色に染まる近所も
空気が薄い早い朝も
傷ついたあの帰り道
石ころ蹴飛ばした
夕焼けや朝の空気といった描写に、誰もが小さい頃に目にしたような些細な出来事が感情とともに心に刻まれていることが伝わりますね。
石を蹴るしぐさに、次のサビに続くような不器用な気持ちのはけ口が見え隠れしています。
2-3.素直になれなかった少年の日
だからね、ごめんね
ほんとは、すぐにね
謝りたかったんだ
ゆるして
石ころを蹴飛ばしたのもきっと、素直になれない自分のモヤモヤを蹴り飛ばしたかったのではないでしょうか?
「ごめんね」と言えなかった気持ちを、後になって伝えようとする不器用な少年の姿が描かれています。
2-4.”当たり前”だった「また明日ね」という約束
それじゃあね、明日ね
手を振って分かれ道へ
見えなくなるまでバイバイ
「明日ね」という言葉には、私たちが少年時代、来るのが鬱陶しく思っていたぐらいの次の日の登校という存在が少年たちからはいかに当たり前のものであったかを実感させます。
大人の視点で聴くと、バイバイの余韻にあの日の懐かしさ、温かさ、そして切なさが同居するものになっていますよね。
2-5.言葉にならない新しい発見の数々
今日あった事を話したいけど
全部ゆったら勿体無い
春風香る冒険
眠りに落ちる瞬間ってわからない
「勿体無い」という感覚に、話さずとも大切にしたい気持ちが見えます。
春の風を“冒険”と捉える感性や、眠りの瞬間を体験することができない不思議を疑問に思える、好奇心旺盛な子どもの目線で描かれています。
2-6.ノスタルジックで切ない気持ち
オレンジ色とさびしい気持ち
失敗した次の成功
友達とした約束
忘れてないのは僕だけ?
恐らくバイバイした後の夕焼けでしょうか?
大人になった後の1人の帰り道でしょうか?
いずれにせよ、夕焼けの「オレンジ色」がさびしさと重なることで、ノスタルジックな感情があふれています。
小さな約束を大切に覚えている“僕”の寂しさも、静かに胸に刻まれています。
2-7.子どもなりの努力を見守ってあげてほしい
褒めてね。伸ばしてね。
せめて抱きしめてね。
僕は頑張ったんだ
今日はね。
どこまで行けるかはわからないけどね
見ててね。見ててね。
大丈夫 やれるから。
「褒めてね」という言葉からは、家族や友達に認めて欲しくて頑張るという子どもの真っ直ぐさが読み取れます。
どこまで行けるかは分からない不安はありますが、身の回りの人たちが見ていてくれれば頑張れるという、単純で純粋で真っ直ぐな子どもの感性が描かれています。
2-8.かつての少年なりの”こたえあわせ”
宇宙の誕生
ママの、パパの愛情
上手くいかないな
はじめての感情
大人になっても
変わらないで居よう
離さないで居よう
忘れないで居よう
天に才と書こう
今日は早く寝よう
宇宙の誕生、ママとパパの愛情、表せない初めての感情は一見脈絡のないものですが、子どもたちからすれば不思議なものです。
宇宙がどのように始まったのか、両親はどうして自分をここまで大事にしてくれるのか、この感情を何というのか。
そしてそのようなことを好奇心旺盛に追い続けることができる少年のような真っ直ぐさを「離さずに」「忘れずに」「大人になっても変わらずに」いることこそが、この歌詞の中で主人公が出した答えなのかもしれません。